紅葉

 先日、八戸に行ったとき、駅前のもみじが真っ赤に紅葉していました。
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車窓から見える景色も、盛岡を過ぎたころから、山々は赤や黄色できれいに色づいていました。しかし、青森県の紅葉の名所である奥入瀬では、そろそろ見ごろは終わりそうだといいます。それに比べて、東京では、もう少しあとでしょう。日本は、南北に細長い地形をしています。ですから、日本国内での気候、気温の移ろいは、日本国土を縦断していきます。このような気温の移ろいにつれて、植物や動物の状態も変化していきます。紅葉する場所が、季節によって移動していくのです。このような現象を生物季節現象と言い、その現象の観測を「生物季節観測」と言います。生物季節観測の目的は、生物に及ぼす気象の影響を知るとともに、その観測結果から季節の遅れ進みや、気候の違いなど総合的な気象状況の推移を知ることにあります。気象庁の全国約98か所の気象官署で、この現象を観察しています。ウメの開花、ウグイスの初鳴、サクラの開花・満開、モンシロチョウの初見、イチョウの黄葉、イロハカエデ(イロハモミジ)の紅葉などの生物季節現象を観測しています。そして、日本地図上にその現象が起きた日の同じ地点を結んだ線を「○○日の等期日線図」と言い、この等期日線図は、その現象が起きた地域とこれからその現象が起きる地域の境目が、天気図の前線とよく似ていることから、一般には「○○前線」と呼ばれています。「○○前線」と呼ばれているものは、さまざまあります。たとえば、「桜開花前線」「つつじ開花前線」「田植え前線」「稲刈り前線」「もみじの紅葉前線」「初雪前線」「ウグイス初鳴き前線」「熱帯魚回遊前線」「ヒガンバナ前線」「虫の鳴き声前線」などです。その中で、春本番を告げるサクラの開花・満開と、秋の美しい現象である紅(黄)葉は一般に高い関心があります。そこで、これらは「桜前線」と「紅葉前線」と呼ばれ、よく気象庁から発表されます。しかし、この二つの前線の動きには、大きな違いがあります。それは、桜前線は北上していきますが、紅葉前線は南下していくのです。当たり前ですが、なんだか面白いですね。では、気象庁で発表するからには、基準があるはずです。調べてみると、サクラ前線での「開花」とは、数輪以上の花が開いた状態をさします。そして、観測するサクラの種類として、九州地方から北海道地方南部はソメイヨシノでしますが、ソメイヨシノのない地方の沖縄・奄美地方では、ヒカンザクラ(カンヒザクラ)、北海道地方北・東部はエゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)またはチシマザクラの花で見ます。開花から満開までの日数は、おおよそ、沖縄・奄美地方は16日、九州?東海・関東地方は6?8日、北陸・東北地方は5日、北海道地方は3?4日です。同様に、秋の黄葉、紅葉はどのような判断をしているのでしょうか。「黄葉日」は、イチョウを対象として観測し、「紅葉日」は、イロハカエデ等を対象として観測しています。それにして、紅葉はきれいですね。紅葉を眺めて楽しむことを「紅葉狩り」といいますが、本来「狩り」とは、獣を捕まえる意味で使われていましたが、野鳥や小動物を捕まえる意味に広がり、さらに果物などを採る意味にも使われるようになりました。ですから、「いちご狩り」や「ぶどう狩り」といいますね。それが、草花を眺めたりする意味にも使われるようになったのです。四季がはっきりしている日本では植物の色の変化がみられ、それが日本各地で時期がずれながら、私たちの目を楽しませてくれます。