ノジギク

「お魚らいふコーディネーター」として活躍している「さかなクン」が、今日の朝日新聞の「人」の欄で紹介されていました。彼は、さかな大好きということで、東京海洋大学客員助教授に就任したということです。4000種以上の魚やその料理法についての知識があり、子どもの頃から魚が大好きで、本人曰く、初恋の相手は魚だそうです。魚のことばかり思っていたので、たぶんからかわれたり、馬鹿にされたりしたことがあったかもしれませんが、このくらい徹底するとたいしたものですね。逸話として、中学生時代、吹奏楽を水槽学だと勘違いして始めたそうですし、浜崎あゆみの存在を知らず「あゆ」と言われても「鮎」の事と思っていたといいます。
 好きなことで大成するというと、先ほど訪れた高知市牧野植物園の「牧野富太郎」氏です。彼は、10歳より寺子屋、さらに塾で学びその後12歳で小学校へも入学したものの2年で中退、好きな植物採集に明け暮れる生活を送るようになります。そして、後に「日本の植物学の父」と言われ、多数の新種を発見し命名も行い、近代植物分類学の権威者となります。その研究成果は50万点もの標本や観察記録、そして「牧野日本植物図鑑」に代表される多数の著作として残っていますが、いわゆる小学校中退でありながら理学博士の学位も得たということです。しかも、生まれた日が「植物学の日」と制定されるくらいになりました。牧野氏が、明治17年に故郷の高知県仁淀川付近の路傍で発見し、その発見場所にちなんで彼が名づけた花に、「のじぎく(野路菊)」という花があります。
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 この花は、ちょうど今頃、10~11月に咲き 、野菊の代表で、一つひとつの花弁は小さく清楚ですが、香り高く気品があり、群生する姿はとても華やかです。のじぎくは我が国固有の植物です。また、9月30日から10月10日まで開かれていた「のじぎく兵庫国体」の「のじぎく」のことです。この「のじぎく」を、兵庫県は、昭和30年に県花に指定しました。兵庫県内では、明治40年に六甲山で最初に発見され、その後、大正14年に牧野博士が姫路市大塩町で大群落を発見し、学会等で日本一の大群落と報告したことから、これを契機に兵庫県がのじぎくの自生地として有名になったのです。秋は、そのほかにもいろいろな菊の花が咲きます。牧野植物園にも、そのほかにもいろいろと咲いていました。通路の両脇に咲いていたのは、「つわぶき」です。
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 この花もきれいな黄色の花で、キク科の花です。花を見ると菊ですが、葉は蕗(ふき)に似ています。そして、その葉は「つや」があるので、「つやぶき」になり、それが変化して「つわぶき」になりました。
 以前のブログでも書いたように秋に華やかに咲いている「コスモス」をはじめ、キク科の植物は多いのですが、漢字「菊」の下部は、手の中に米をまるめて握ったさまを表し、それに草冠を加えて多くの花をまとめて丸く握ったような形をした花(球状花序)を示しています。そして、キクの葉や花には良い香りがあります。吸い込むと頭がすっとして、気持が落ち着くような香りです。アロマテラピーです。それは、キク科の植物にはヨモギや春菊などに代表されるように「テルペン」という物質がふくまれていて、キクの香りはこの物質のためです。ハーブなどにもテルペンが含まれていて、フェノール類とともに植物の芳香の成分として知られています。ハーブにも、キク科の植物は多いですね。

ノジギク” への2件のコメント

  1. 「さかなクン」のように1つのことを究めるのはすごいことだと思います。吹奏楽を水槽学と勘違いするとは徹底していますね。思わず水槽学というものを想像してしまいました。
    花のことはあまり知りませんし、その香りこともあまり意識したことがありません。菊の花の香りがアロマテラピーと教えてもらったので、見つけたらしっかり香りを楽しもうと思います。

  2. 究める、というのは本当に素晴らしいことだ、と今日のブログを拝読していて思いました。吹奏楽が「水槽学」と聞こえてくるほどその道に入れ込む「さかなクン」は偉いなぁ、と感心します。そして、牧野富太郎博士が「小学校中退でありながら理学博士の学位も得た」とはこれまた驚きです。好きこそ物の上手、といいますが、こうした例を紹介して頂くとほんとのことなんだ、ととても納得します。それから兵庫国体の「のじぎく」、何のことだろうと疑問に思いながら調べもせずに今日まで来て、ブログでその答えを写真つきで教えて頂きました。これまた感動です。藤森先生のブログのおかげで、お花をみるのも好きになり、植物への関心も高まる今日この頃です。最近趣味や勉強したいことが多くなりすぎて、どれから手をつけていこうか、と悩んで時間をたくさん費やしてしまうことが多いです。「究める」どころか、関心があちこち広がって収拾がつかなくなっているありさまです。もっとも、そうした混乱を楽しんでいる自分を発見して再び驚いています。

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