オセロ

新聞の記事を読んでいると、「へえ、そうだったんだ」と思う事がよくあります。先日の10月7日の 読売新聞の夕刊にこんな記事が出ていました。「オセロゲーム発祥地の水戸市で6日、第30回世界選手権大会が開幕した。」という記事です。「へえ、オセロの発祥の地は、水戸なんだ!」と思いました。この記事には、「終戦の1945年、旧制水戸中(現県立水戸一高)1年だった長谷川五郎・日本オセロ連盟会長が、碁石で相手の石を挟む遊びを考えたのが原型。黒人の将軍と白人の妻が登場するシェークスピアの「オセロ」から名前を取った。」と書かれています。日本で考えられたゲームが、いまや世界選手権が行われ、今年で、30回大会だそうです。最初に発売されたオセロの石のサイズは牛乳瓶の紙蓋とほぼ同じ大きさでした。これは第二次世界大戦が終わって間もない頃、当時中学生だった長谷川五郎が初めてオセロを製作した際、牛乳瓶の蓋を使っていたので、現在も公式試合ではこのサイズを用いているそうです。名称を「オセロ」からとったのは、このストーリーが黒人と白人の関係がめまぐるしく変わる様からだといいます。
 園児の中でも「オセロ」は人気のある遊びです。朝の自由遊びの時間では、オセロをしている子どもがいることがあります。その3歳児から6歳児までいっしょに遊んでいる様子を見ていると、とても面白いことに気が付きます。一人でオセロを出してきて遊ぼうとするときは、色と黒を並べて、模様を作ることをしています。また、ルールに沿って対戦をしようとするときは、たいていは同年齢児と対戦しています。しかし、子どもたちは、同じ年齢の子を対戦相手に選んでいるのではなく、同じ強さの子を対戦相手に選んでいるのです。というのも、とても強い3歳児は、5歳児を相手にしています。子どもたちは、ゲームが一番面白い相手を選んでいるのです。そこでは、お互いの生年月日など関係ありません。また、5歳児が、まったくルールを知らない3歳児と遊ぶときは、オセロのルールで遊ばないで、順番にただ並べていって、盤を白黒でいっぱいにしていきます。そのほかにも、5歳児は、3歳児でも楽しめるようなルールを作っていきます。この朝の場面では、子どもたちは、なにで遊ぶかを自発的に始めるだけでなく、その遊びが最も面白いであろう相手を誘います。また、その相手をしてもらえない場合は、相手によって、さまざまな遊び方の工夫や、ルールを改定しながら楽しんでいます。オセロを考案した長谷川さんも、こんな状況の中に置かれていたのでしょう。また、昔は、こんな状況が家庭でも、地域の中でも満ち溢れていたのでしょうね。今の時代は、工夫をしなくても、楽しく遊ぶことができますし、一人でも楽しく遊べますし、調査によると、幼児での家での遊び相手が、8割は母親だという結果が出ています。そんな中で、自己表現力が次第に乏しくなってきています。「その背景に、気の合う友人としかコミュニケーションしない生活環境があると見る。仲間内なら「あれ、むかつくよねー」と言うだけで話が通じてしまうからだ。助けが必要な時、どんな風に、なぜ困っているか説明できないと、仲間以外からの支援は得られない。論理的に伝える能力は、学力調査で他国に勝つ以前に、一人ひとりが幸せに生きるために必要なのです。」と国立情報学研究所の新井紀子助教授(数理論理学)は強調しています。