中秋

 ちょうど昨年の10月20日のブログに、父親だけが役員の「子ども会」について立ち上げの経緯を書きました。役員が父親だけとあって、計画は、とてもわくわくするものが多かった反面、ハラハラするものも多くありました。ずいぶんと、母親たちから心配されました。そのひとつが、この時期に行われた「お月見ナイトハイク」です。子どもたちは、暗くなってから地元の高尾山に登り始め、夕飯を山頂で食べる計画です。夜の山は、とても暗く、しかも高尾山は野生動物が多く、熊とかはいませんが、夜行性動物であるムササビとか、仏法僧は有名です。ブッポウソウといっても、本当は「コノハズク」というきわめて小さなミミズクのことです。夕暮れから活動を始め、「ブッポウソウ」と鳴くので、古くからブッポウソウ(仏法僧)の鳴き声と思われていました。この声が、登っている最中に聞こえてきます。また、林でガサコソ音がするので、懐中電灯を当ててみると、木の幹をムササビが登っていくところで、木の上まで行くと、空中飛行をします。こんなわくわくする体験が出来るのですが、やはり、真っ暗な道を懐中電灯で照らしながら登るのは、母親たちはきがきでなかったかも知れません。それにしても山頂で頭上に輝く月を見るのは、なんとも言えず気持ちが澄む気がします。しかし、この決行する日にちが、ちょうど中秋の名月というわけには行きません。それは、年によって変わるのと、それがナイトハイクをする土曜日とは限らないからです。
 今年の中秋の名月は、明日の10月6日です。同じ日に、同じように満ち欠みかけした形の月を見ようと思えば、ちょうど19年後のことになります。例えば自分の生まれた日に出ていた月と同じ形のつきを誕生日に見るためには、成人式を控えた前の年まで待たねばなりません。これは月の満ち欠けの周期(29.5306 日)の235 回分、と1年の周期(365.2422 日)の19年分がほぼ一致するからです。この周期のことを「メトン周期」または「章」と呼んでいます。「今月今夜のこの月」は19年後でないと見られないということのようです。今の暦は太陽暦ですので、天球上での太陽の一年間の動きをもとにして1年の長さを365日と決めています。しかし旧暦では月の動き、それも月の満ち欠けの周期を一ヶ月としていました。ですから、新月の日を一日として、月が半月から満月になり、また新月にもどってくるまでの29.53日が一ヶ月なのです。月の満ち欠けの様子を日づけにできるだけ正しくあわせるため、ひと月は30日と29日を交互にくりかえしていました。だから月の満ち欠けの形を見ればその日が何日かがわかりました。満月の日はほぼ15日(十五夜の月)になります。そして涼しくなった秋のすみきった、秋のまん中の8月の夜の月を、中秋の名月と呼んだのです。したがって、中秋の名月が満月とは限りません。実際に、今年の満月は、次の日の7日です。しかし、満月でなくとも、この時期の月は、空気が乾燥して鮮やかに見え、かつ、秋は湿度も低く夜でもそれほど寒くないため、とてもきれいで、昔から鑑賞したのでしょうね。名月とよく言ったものです。しかし、秋の虫の声が日本ではとても心地よく聞こえるのに、外国の人には雑音にしか聞こえないという話をよく聞きますが、満月も、ヨーロッパでは人の心をかき乱し、狂わせるものであったり、月の女神が死を暗示したり、狼男が月を見て狼に変身して凶暴になったりするのは、感じ方の違いで、面白いですね。