秋の神話

 昨日は、夜、車で六甲山に登って、夜景を眺めました。晴れていて、とてもきれいでしたが、空の星は、あまり出ていませんでした。星は、それぞれの季節には、それぞれの特徴があります。その中で、星にまつわる神話の面白さにかけては、秋の星に勝るものはありません。これほど、神話の壮大さを感じる星たちが、その光は地味ながら空に広がっているのです。
 ギリシャの南、エチオピア王国の王ケフェウス(ケフェウス座として北天の星座になっている。)にはアンドロメダ(アンドロメダ座)という美しい娘がいました。ところが母のカシオペア(カシオペア座)は、娘アンドロメダの美しさを自慢し、「海の神ネレウスの50人の娘たちの誰よりもずっと美しい。アンドロメダの前には彼女たちの美しさも輝きを失ってしまう」と豪語していました。それを聞いたネレウスの娘たちは、悔しがって海の大神ポセイドンに言いつけ、何とかし返しをして欲しいとたのみました。ポセイドンはそれを聞き入れ、化けくじら(くじら座)に命じてエチオピアの沿岸に大津波をおこさせ続けました。王国が化けくじらのために破壊されるのを危惧したケフェウスが、神々の意志を聞いたところ、「娘のアンドロメダ姫を化けくじらのいけにえに捧げれば、災いはなくなるであろう」というお告げが下りました。王は国のため泣く泣く娘を海岸の岩につないだのです。この時ケフェウスが流した涙がケフェウス座のμ星で、美しい赤色の星です。岩壁につながれたアンドロメダを化けくじらが狙ったその時、エチオピアの海岸の上空を一人の勇者ペルセウス(ペルセウス座)が、魔女メドゥーサの首を切り落とした時に吹き出した血しぶきが岩にしみ込み、そこから現れたとされている天馬ペガサス(ペガサス座)にまたがり颯爽と通りかかりました。彼は、英雄ヘルクレスの孫にあたります。彼は、ちょうどメドゥーサ(変光星アルゴルは、このメドゥーサの額に輝いています)退治の帰りでした。この退治物語も子ども達は、大好きです。ペルセウスは悪魔ゴルゴンを倒すためにいくつかの道具を持っていました。「空を飛べる翼のあるサンダル」「なんでも隠せる袋」「かぶると姿が消える帽子」「何でも切れる金剛剣」「青銅の楯」(この楯は女神アテナにもらったものですが、その忠告にしたがってぴかぴかにみがいておきました)メドゥーサは、悪魔ゴルゴンの三姉妹の一人で、髪の毛は蛇になっていて、見るものを石にしてしまう魔力を持っていました。ですから、ペルセウスは戦うときには、後ろ向きにメドゥーサに近づき、青銅の楯に写った姿を見ながら金剛剣でその首を切り落としてしまい、何でも隠せる袋にその首を入れて持ち帰る途中だったのです。さて、アンドロメダをひと目見たペルセウスは彼女にひかれ、助け出そうとしました。化けくじらを、空飛ぶサンダルをはいてペルセウスは空中から身をかわしながら攻撃します。しかし戦いの最中サンダルが海水に濡れ威力をなくしてしまい彼は海中へと転落してしまいます。海中では化けくじらが絶対有利である。絶体絶命のペルセウスはとっさにふくろに隠したメドゥーサの首を取り出し化けくじらにその眼をむけました。すると、たちまち化けくじらは一瞬にして石と化し海底深く沈んでいったのです。そして、アンドロメダを助けたペルセウスは彼女を妻にし、いつまでも仲良く暮らしたということです。このアンドロメダ座にはアンドロメダ銀河という有名な銀河があります。この銀河は、銀河系の外側にある別の銀河ですが、たいへん近いところにあります。(といってもその距離は230万光年あまりです)秋の澄んだ夜空で、双眼鏡があれば、ぼぅーっとかすんだ小さな円盤状の天体が見つかります。それが、アンドロメダ銀河です。視力のいい人なら肉眼でも見えるそうです。見つけてください。