調査結果

 新聞などに、よく「調査結果によると」ということが発表されることがあります。しかし、その結果を見ると、「本当かな?」と思ってしまうこともよくあります。また、結果については改ざんできませんが、その分析では、どうにでも取れるものがありますし、自分の都合のよいように解釈して、やはり、「そんなことかな?」と思うことがあります。しかし、少なくともそんな傾向であることは間違いないでしょうが、この調査結果から、逆に違う問題点も見えてきます。
 9月13日発表で、「公立小学生の校内暴力、過去最多に 対教師30%超増」という記事が掲載されていました。「05年度に公立の小学校内で児童が起こした暴力行為の件数は、前年度より6.8%増の2018件で、統計を取り始めた97年度以降、過去最多となったことが13日、文部科学省の調査でわかった。特に教師への暴力は38.1%増の464件と、3年連続で30%を超え、歯止めがかかっていない。公立の小中高生全体の校内暴力も0.9%増の3万283件となり、2年ぶりに増加に転じた。」というものです。この調査は、全国すべての公立小中高校が対象で、各教委を通じて実施したそうです。その中で、教師に対して、いすを投げつけたり故意にけがをさせたりといった、一定水準以上の暴力について、学校から上がった報告を集計したといいます。しかし、この数字で?と思うことがあります。この件数の各都道府県別を見ると驚きます。東京近郊の今年の件数の数字では、埼玉は113件、千葉は54件、東京は65件、神奈川は501件となっています。地域のよって差があるのは当然でしょうが、神奈川県に比べて、東京都が余りに少ない気がします。そんなに東京の子は、いい子なのでしょうか。これは、調査方法をもう一度見ると、「学校からあがった報告を」ということは、実際に起きた件数ではなく、学校の認識の違いかもしれません。しかし、「一定水準」を定めているので、認識にそんなに違いは出るはずはありません。では、どうしてでしょう。ラジオで尾木教授がこう言っていました。「東京は、今学校選択性を行っている地区が多いため、自分の学校が暴力が多いと、選択されなくなり、校長としての力量が問われることになる。また、教師も人事考課を行っているので、自分のクラスに起きているとなると、給料や昇進などに影響する恐れがあるので、報告しない場合がある。」こんなことでは、本当に子どものための教育を考えることができないでしょう。単純に、企業の競争原理を教育、福祉に持ち込むと、このようなことが起きる可能性は大いにある気がします。また、分析にしても、文科省によると、昨年より増えた原因のひとつに「なかには子どもの暴力行為がわかっても、保護者が注意しないといった事例も報告されている。」からと言っています。私は、この状況をすぐに保護者のせいにすることがありますが、もう少し、真摯に教育方法、教師のあり方を見直すべきだと思います。また、文科省は「はっきりとした原因は分からないが、けんかの仲裁に入った教師に逆上し、矛先を向けるケースが多いようだ。子どもの暴力について小学校側の危機意識は、もともと希薄。学級担任制で、担任一人に任せきりになるため、問題が放置されやすい状況がある」と分析しています。大人の目が届かないからという分析も、おかしい気がします。子どもがどうしてそのような行動をとるのかの検証がもっと必要でしょう。