セミ

 季節を感じるものはいろいろありますが、音で感じるのは、虫の鳴き声です。これからは、秋の虫の鳴き声で溢れるでしょうが、今は、やはり「セミ」の鳴き声ですね。日本ではヒグラシやミンミンゼミ、アブラゼミなどが有名ですが、世界中にはなんと3,000種以上のセミがいるそうです。ですから、世界では、1年中鳴いているそうです。しかし、セミが鳴くのには、それぞれに適した温度や日の照り具合、湿度などが影響するため、鳴く時間は種類によって異なります。梅雨が明けるころから、「チー」または「ジー」と長くなき続けるセミが、「ニイニイゼミ」です。朝薄暗いうちから鳴きはじめ、ほぼ一日中鳴いています。扁平の体で、胸が張り出ていて、羽は、木の幹との保護色のために黒褐色のまだら模様をしています。最近、都心でも増えてきたセミが、「ミンミンゼミ」です。朝も午後も鳴きますが、朝のほうが盛んに鳴きます。鳴き声は、その名のとおり、「ミーンミンミン」と鳴きます。体は、やや偏平の太く短く、頭と胸は緑色と黒色のまだら模様です。最もうるさく、騒音のように盛んに鳴くのが、「アブラゼミ」です。「ジージリジリ…」という鳴き声は、油を加熱したときの音に似ていることからきています。日本中に分布し、気温が20℃以上になると鳴き始めます。ジジジとやかましく、午後、とくに3時頃から夕方によく鳴きます。このブログを書いている今、外の園庭で鳴いているのもこのセミです。関東地方ではアカジリと呼ぶ所があるそうが、子どもの頃からよく捕まえたので、その姿は良く知っている子が多いと思います。体は黒く、胸は赤褐色、羽は茶褐色です。他のセミの羽は、ほとんど透明に模様があるのですが、このアブラゼミは透き通っていません。また、クマゼミは、やはり、都市部ではよく見かけます。ただ、関西の方が多いのですが。「シャア、シャア…」とか「ワシワシワシ…」と聞こえます。午前中だけ鳴きますが、曇っていたり、午前中雨の時は午後も鳴きます。「ワシワシ」と呼ぶ所もあるそうです。鳴き声ではっきりわかるのが、「ツクツクボウシ」で、「ツクツクホーシ」と鳴きます。仲間がそばで鳴きはじめると、それにこたえるように「ジュー」と鳴きます。また、警戒心が強く、近づくと「ツクリョーシ」と速度を上げて鳴きます。黒地に緑の模様があります。夕方、薄暗くなると、そのなんとなく淋しい時間のBGMのように聞こえるのが、「カナカナカナ…」と鳴く「ヒグラシ」です。頭と胸は緑色と茶褐色のまだら模様です。平地では明け方と夕方に鳴きますが、明るさや湿度の変化に敏感に反応し、日中でも夕立が近づいてきて辺りが急に暗くなると鳴き始めます。鳴き声からカナカナゼミの別名があります。ヒグラシは夕暮れに鳴くので日暮らし(ひぐらし)という名がついていますが、どうして夕方にしか鳴かないのかはよくわかっていないそうです。
 ところで、イソップ物語の「アリとキリギリス」の話はもともと「アリとセミ」だったようです。しかし、セミは、熱帯系の昆虫で、日本より緯度が高いヨーロッパや北アメリカでは種類も少なく、小型で迫力がないこともあって知名度が低く知らない人々が多かったため、セミのいない地域では、セミがキリギリスやコオロギなど別の昆虫に変わっていったのだといいます。ロシアでは、アリがトンボになっているようです。日本ではじめてイソップ寓話がもたらされたときも、「アリとセミ」だったようです。日本では、セミの方がよかったかもしれませんね。