今年のG賞

 何回かブログに登場した「グッドデザイン賞」の今年の選考に際し、「グッドデザイン・プレゼンテーション2006」が、東京ビッグサイトにて、8月23日から延べ4日間開催されました。今年の選考について、夕刊フジは8月25日発行の紙面で「グッドデザイン賞 アダルトグッズ No!」という記事を掲載しました。その内容は、約1年間で100万個を売り上げた男性用自慰用品「TENGA」がグッドデザイン賞の1次(書類審査)をパスしたものの、2次審査直前に不明瞭な理由でノミネートを取り消された、というものです。「多忙な審査員は審査前に初めて現物を見る。女性など一部審査員から批判があり、(2次審査)直前になって対象外となった」という事務局の説明に、販売元の社長は怒り心頭なようです.この判断は、なかなか難しいですね。「TENGA」のブースを一方的に撤去された「株式会社TENGA」の松本光一社長さんはこう憤っています。「アダルトグッズも日本の技術力に見合う、お客さんに喜ばれる物を」という思いから、自己資金1000万円と3年の歳月をかけ開発したTENGAは、精密な内部構造に加え、「部屋に置いても恥ずかしくなく、女性からもプレゼントできるように」と手に取りやすいデザインを採用。昨年7月の発売以来、100万個を売り上げた。 そこで、「TENGAに携わるすべての人に誇りを持ってもらいたい」と賞に応募したそうです。「ビッグサイトに展示されると知り、生産工場で働く職人さんやパートのお姉さんたちも『自分らの仕事が認められた』とすごい喜んでくれた。見に行くのを楽しみにしてくれていたのに」 確かに、ものづくりをしている人たちは、それが、どんなものでもその商品に対しては誇りを持っていると思います。普段は、なかなかスポットライトが浴びない中小企業の職人に勇気を与えるかもしれません。しかし、本来は、デザインとしてどうだったかという基準、観点から判断すべきでしょう。もし、その観点から外れているのであれば、この社長さんの言うとおりに、「応募の際、『男性用マスターベーション補助具』と明記し、性欲制御や性感染症、性犯罪防止など商品の意義を説いた。ダメなら1次審査で落とせばいい。」という言い分ももっともだと思います。もう一度、私が受賞したときのことを振り返って見ました。2001年度受賞したときは、1次審査のときに、さまざまな質問項目がありました。応募対象サブタイトル「人々の関係性のデザイン」応募対象区分「地域づくりのデザイン」応募対象の概要「地域コミュニティーの欠如によって、さまざまな犯罪や、子ども環境においての問題がおきている。保育園という場の提供の中で、空間や情報をデザインすることによって、異年齢の子ども同士、大人と子ども、地域と子ども、大人と大人、大人と地域などの関係性を再構築し、地域コミュニティーの結節点としての役割をもつ。」デザインのポイント「単に、集まる施設としての機能だけでなく、地域の自立を助ける機能への転換」デザイナーの思い・主張「子ども達は、人との関係を学ぶ機会は母親からだけになってきている。その観点から、最近、青少年が起こす事件を見てみると、人とのかかわる力がないことに起因することが多いような気がする。また、事件とまでいかずとも、最近、問題にされている学校での現象の「引きこもり」「不登校」「いじめ」「学級崩壊」等々、すべて人とかかわる力が薄れてきた結果の気がする。」今考えると、ずいぶんと理屈をつけたものです。