大賀ハス

 今朝、園に行って私の部屋に入ると、窓からのぞいているものがあります。なにかと思ってみると、りっぱな「ハス」の花です。花が首を長くして、中を覗いているかのようです。
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今年も見事に咲きました。「蓮」はスイレン目ハス科です。以前はスイレン科とされていましたが、現在はハス科として独立しています。モネの絵で有名なスイレン(睡蓮)はスイレン目スイレン科で、和名をヒツジグサ(羊草)といいます。ハスの葉は、水面に浮く「浮き葉」と水面より高く上がる「立ち葉」があり、花は水面より高くそびえて咲きます。園児たちは、そのハスの葉の上に乗っている水の玉にとても興味を示していました。水をはじいて、表面張力で、きれいな球体になっているので、何度もそれをつかもうとするのです。それに対して、スイレンの葉は水をはじきません。また、葉には切れ込みがあります。スイレンの葉が水をはじかなかったり、切れ込みがあるのは、増水時に水に沈みやすくして茎や根に負担をかけない為です。
ハスといえば、「大賀ハス」というのが有名です。1951年(昭和26)、植物学者の大賀一郎博士は、地元の花園中学校の生徒たちと共に遺跡の発掘調査しました。そのとき、中学校女子生徒が、千葉市検見川、地下約6メートルの泥炭層からハスの実1個を発掘しました。1週間後、2個のハスの実を発掘し、発見したハスの実は、合計3粒になりました。それを、大賀博士は、シカゴ大学へ送って年代分析、鑑定を依頼した結果、それらが弥生時代(約2000年前)のものであることが判明したのです。そこで、大賀博士は発見した3粒の発芽を試み、2粒は失敗に終わりましたが、1粒が発芽に成功しました。ピンク色の見事な花(古代ハス)が咲いたのです。これが、千葉県天然記念物に指定され(千葉市の花にもなっています)、「大賀ハス」と呼ばれ「世界最古の花」として、海外でも大きい反響を得たのです。その古代ハスは千葉公園から日本各地をはじめ、世界各国へ根分けされ、友好親善を深めています。
ハスの根を「蓮根(れんこん)」といいますね。(以前のブログで書きました)岐阜県羽島市は蓮根の伝統的生産地です。ですから、昭和54年市制施行25周年と東海道新幹線岐阜羽島駅の開設15周年の記念事業として、千葉市より「大賀ハス」を譲り受けて増殖しました。それが、「大賀ハス園」で、7月のひと月間、ハス祭りが行われていました。
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明日、大阪での講演のための移動の途中で、昨日で祭りは終わってしまったのですが、寄ってみました。夕方ということで、花が閉じてしまったものが多かったのですが、いくつか見ることができました。今年は、ちょっと涼しい夏ですが、少しずつ薄暗くなっていく空の下、弥生人も観ていたかもしれない薄紅色のハスの花の間を歩いていると、なんだか古代の夢とロマンを感じます。今朝、ちょうど園のハスの花を見てきたばかりです。美しさは、ちょうど花盛りということもあって、園のほうがきれいかもしれません。しかし、そのもののなかにある美しさは、見るのではなく、感じるものであり、また、思いをめぐらすものかもしれません。