今年の保育学会で、「木育」紹介コーナーが設置されました。最近、「食育」という言葉はよく聞きますが、この「木育」は、「子どもをはじめとするすべての人びとが、木とふれあい、木に学び、木と生きる」という活動です。北海道が平成16年に設置した民間協働プロジェクトで提案したものです。内容として、こんな提案をしています。「すべての人が思いやりとやさしさをもち、地球という大きな「つながり」のなかで自然と共存し、人間らしく生きることができる社会を実現します。近年我が国では、利便性や経済効率の追求等による生活環境と自然環境の変化によって、人と人、人と自然、モノと自然とのつながりが希薄となり、社会や自然にさまざまな「ほころび」が生じています。」
ここ数年、異常気象が続きます。今年の梅雨の形は、温暖化が進んだ数百年先に予想されている現象だそうです。日本での少子化が、国が思った異常な急速な速さで進んでいると同じように、地球の変化も思った以上の速さで進んでいるようです。地球との関係も、まずは、他人との良好な関係から学んでいきます。他人との良好な関係は、まずは、親子関係から子どもたちは学んでいきます。この親子関係は、きちんとした夫婦関係から生まれてくるものでなければなりません。価値観が、多様になったとして、それぞれの関係の形がさまざまになってきました。しかし、どのような関係にしても、決して自分だけがよいとする気持ちからは築いていけないと思います。共に生きていくことを大切にし、お互いに存在を認め、尊重しなければならないのです。たとえ、夫婦が、結婚という形でなくてもかまいませんが、これを忘れてはいけないのです。同じように、地球に対して、また、自然に対して、その存在を大切に思わないといけないのです。
「子どものみならず、すべての人びとにとって、木と五感でふれあうことが、自然や人とのつながりの回復に結びつくこと。手でつくり、手で使う経験を通して養われる感性や想像力が、人や自然に対する「思いやり」や「やさしさ」を持つことにつながること。こうした経験を蓄積し、知恵と技術を培うことが、自然と人が共存して生きる「持続可能な社会」を生み出す力となること。私たちは、木を子どもの頃から身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育てたいという想いを「木育(もくいく)」という言葉にこめました。」木に触ることが、まず大切であるといっています。これは、親子関係でも言われていることです。いわゆる、「スキンシップ」といわれるものですが、最近、脳の発達の観点からもその重要性が言われています。赤ちゃんの肌に直接触ること、異年齢の子ども同士がじゃれあうこと、そんなことが脳の育ちに影響しています。赤ちゃんや子どもは、何でも触りたがります。それは、好奇心とか、ものを確かめるという意味もありますが、それを触っているうちに、そのものとの関係性を学んでいるのでしょう。そいう意味で言えば、夏休みの「昆虫採集」とか「植物採集」は意味があったのかもしれません。今は、自然を大切にしなければいけないということで、直接触ることが許されなくなりました。本当は、決して、子どもたちが自然と触れることで壊されてきたのではなく、大人が自分たちの都合や、面白半分に自然を破壊したり、支配したりしようとした結果であることのほうが多いのです。もう一度、自然との共生を考えなければならないと思います。