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2006年07月14日 講演先にて

積乱雲

 今日、飛行機で高松に来る途中で、機長からのアナウンスがありました。
「右手をご覧ください。そこには、発達した積乱雲が見えると思います。したがって、航路を変更して、紀伊半島の上を通過しています。そのために、到着時刻が10分ほど遅れますことをお詫び申し上げます。」
飛行機は、空の上でも、決められた道を通っています。ですから、ほとんど、ほかの飛行機と出会うことはありません。それは、便によって決められていますが、日本各地にある電波を出している無線施設を結ぶ形で航空路が決められているのです。これは、世界的に公示している万国共通のものです。もちろん、世界共通の約束事でなければ、外国機とぶつかってしまいますよね。この経路は、空港からその航空路に乗るための経路とか、航空路から空港に降りるための経路も別に決められています。
 では、飛行機は、どんなときに飛びにくく、離着陸しにくいのでしょうか。離着陸のときに一番気にするのは風のようです。風が「息」をしているとよく言われるように、強くなったり弱くなったりする状況を繰り返す乱気流がある中でのアプローチは難しいそうです。アプローチに際して揺れを感じるのは主にこれが原因です。よく、「○○便は目的地の天候不良のため、到着できない場合もあります。」というアナウンスがあることがありますが、この天候不良とは、着陸できる条件を満たしていない場合ですが、例えば横風が規定値以上に強いか、着陸時に後ろからの風に煽られると、滑走路をはみ出してしまう危険性もあります。また、風だけでなく、霧や雲で滑走路が見えない場合も着陸できません。
 飛んでいるときに危険なのは、雲です。そのなかで、操縦士の間では、「美しい女性と美しい雲には気をつけろ!」と言われているように、地上から見るときれいな夏の入道雲、積乱雲が一番危険なのです。それは、積乱雲の中は想像を絶するほどの激しい乱気流があるからです。かつて、キムタクが主演のテレビドラマで、見習い機長のときに、目の前に大きな積乱雲が発生し、そこに突入し、何とか回避するような内容だった気がします。そのドラマのように、飛行機は、決してその中には入りません。アニメ「天空の城ラピュタ」では、飛行機が積乱雲の中に入り飛行機が壊れてしまったというシーンがありました。ですから、航空路上に積乱雲がある場合には管制室に連絡して、通らないように今日のように航空路を変更してもらいます。夜は雲が見えないのでレーダーで雲の位置を確認しながら避けて通るそうです。
 その入道雲ともいう積乱雲は、地上ではイメージが違います。夏の日中に、強い日差しに参っているときに、夕方、それまでの良い天気がガラリと一変し、強い雨が降ったかと思うと、すぐに止んでしまうことがあります。これが夏によく見られる積乱雲が起こす夕立です。これによって、暑さが少し和らぎ、ほっとしたり、思わず雨に降られてびしょぬれになりながら家に帰った夏の思い出があります。
 積乱雲の発生原因は様々あるようですが、多くの場合は地上付近と上空の温度差がもたらす大気の不安定によって生じる(すなわち不安定を解消しようとして生じる)対流性の上昇気流によるものです。ですから、積乱雲は多くの場合、地上と上空の温度差が大きくなる夏場に見られます。ですから、あの、むくむくと膨れ上がっていく入道のような雲は、夏の風物詩のような気がするのですね。

投稿者 fujimori : 2006年07月14日 23:46

コメント

夏が遅くて短い岩手の沿岸地域でも、昨日一昨日は気温の上昇に伴って「積乱雲」が湧き上がりました。夏を感じる今日この頃です。四季がある日本では、「積乱雲」を見ては夏を感じますが、東南アジアの沿岸地域はいつ行っても「積乱雲」です。海上のあちこちに沸き立つ「積乱雲」を観ては、これらの「積乱雲」が集まって、やがて台風やサイクロンになるのか、と考えたものでした。今回の「積乱雲」ブログを読みながら、かつて訪れたフィリピンやタイのことを思い起こしました。みんな元気にやっているだろうか、また行きたいな、というある種望郷の念に通じる感慨を持つことができました。ありがとうございました。

投稿者 toshi123 : 2006年07月15日 12:13

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