先週の初め、私たちが主催する「保育環境セミナー」が開催されました。そのセミナー会場にいくつかの後援保育業者が、保育教材や環境の提案をしていました。そこにあるパンフレットに、海外の保育環境が紹介されている記事がありました。
「自主性を育み、個性を伸ばす教育環境づくり(オランダ) オランダでは、13歳から本人が成績と「将来どういう道に進みたいか」によってコースを選択します。それぞれの興味や適正を生かした自分らしい人生をつかめるように、幼いころから自己と向き合い、自主性や個性を伸ばしていくことが必要です。そのために、保育、教育の現場には子どもたちがこうした力を効果的に養える環境であることが求められています。こうした教育システムを背景に、古くから幼児教育の場に取り入れられてきた手法がコーナー保育、教育です。コーナーごとにテーマが設定されたあそび環境を備え、この場所は何をするための場所かを物理的、心理的に区別し、把握させるという目的があります。オランダでは、子ども自身に「何がしたいか」自ら思考し、自分であそびを選ぶ機会を与えると同時に、受身でなく自ら選んだあそびに集中して取り組むことを求めます。そうした経験を通じ、子どもたちが判断力や自主性を自然に身につけていけるのです。また、「学校」という枠組みの中でコーナー保育、教育が行われていることも見逃せない点です。ただ興味の赴くままに選ぶのではなく、「時間割」が決まっているため、一定時間が経過すると次の活動内容へと移らねばなりません。子どもたちは、「あそぶ→片付ける→次のあそびに移る」というサイクルを通して、時間の観念やメリハリある行動の重要性を知っていきます。こういった環境づくりが、目的を貫徹する習慣、メリハリある行動といった財産を子どもたちにもたらすのです。」(ボーネルンド「世界のあそび環境」のカタログより)
「きょうだいグループ保育を可能とする環境 ドイツをはじめとするヨーロッパでは子どもたちにまず「民主主義」を教えています。これは「自分が他人から尊重されることを知り、そして自分も他人を尊重する人」に育てるということです。次に生活のための能力、とりわけ「自主性」と「集中力」を身に付けさせます。これらを実現するためには、1、子どもたち一人ひとりを尊重する保育士、教諭の対応 2、子どもたちが自ら判断して行動し、物事に集中できる環境の2点が必要です。遊び、散歩、食事、午睡などで構成される毎日の行動パターンを日課として決め、その場所も一人一人が覚えられるようにしてあげることで、子供たちは次第に自主性を持って行動できるようになります。しかし、自主性と集中力は別のものです。集中力を身に付けられる環境とは、いったいどういうものでしょうか。実は空間構成が鍵を握っています。わが国で一般的な保育室は、子どもたちの「生活」のためには明らかに広すぎ、落ち着いて物事に集中することができません。優れた集中力を養うには、興味のある対象にじっくりと取り組む場所=コーナーが必要です。タタミ1~2畳程度の空間をいくつも用意し、積み木、ごっこ、読書、構成あそび、工作、と分けてあげるべきです。そこで、家具やついたてのようなものを使って部屋を区分してあげましょう。私たちが理想とする園は、子どもたちが安定して日々を過ごすことのできる空間です。そして保育方法として異年齢混合保育(北欧では「きょうだいグループ保育」)が可能な、立体空間を作り出す施設があるということです。」(アネビー「これからの保育室」のカタログより)

アメリカの保育室
最近、外国ではこのような保育、教育に変わってきています。日本では、どうしてなかなか変わろうとしないのでしょうか。