父親と母親

少し前にベストセラーになった書籍に「ルネッサンス(再生への挑戦)」(著者:カルロス・ゴーン ダイヤモンド社発行)があります。ゴーン氏は、日産自動車を立て直すために、社長として招かれた人です。とても重い任務を背負い、社員の整理を含め、会社を立て直すことに成功している人であるので、世間では、彼はバリバリの企業マンであるという印象をもっています。しかし、この本を読んで、意外なことがわかります。
「子どもとの時間:日産リバイブルプランの作成に着手した当初、解決策を見つけなければならない問題が山積し、一日中会議や議論に追われる日々が続いた。しかし、どんなに多忙を極めていても、家族と過ごす時間だけは必ず確保するように努めた。…中略…父親にとって子どもたちと一緒に過ごし、彼らに愛情と関心を注ぐことは大切なことだ。
判断力を養う:子どもたちに、安定した、落ち着いた家庭環境を与えるために、リタと私は育児に多くの時間を割いてきた。子育てには子どもたちの判断力を養う基礎を作るという仕事も含まれている。…中略…旅立つときに、子どもたちが優れた判断力を発揮できるかどうかは、ある意味で育て方の問題である。」
 彼には、四人の子どもがいます。彼はいったん帰宅すれば、決して仕事を家に持ち込まないそうです。「リタも子どもたちも、私が玄関を開けたとたんに家族の時間が始まることが分かっている。」とも言っています。仕事ができる人は、家庭もきちんとできるのですね。そろそろ、生き方を考え直す時代かもしれません。
やはり、少し前に世界でベストセラーになっていた書籍があります。「男の子ってどうしてこうなの?」(スティーブ・ビダルフ著)という本です。最近、世界的に、少年が起こす犯罪が多くなってきています。特に男の子の起こすトラブルに対して、対応に苦慮している母親が多くいます。そうした状況の中で、「6歳以下の子どもにとっては、性別は大きな問題にならないし、問題にすべきでもない。この時期、一般的には母親が主要な役割を演じるが、父親が母親代わりをすることもできる。重要なのは、一人ないし二人の鍵になる人物が、子どもを愛し、最初の数年間、子どもを中心に据えるということである。そのようにすれば、子どもは自分の中に安心感をつちかい、子どもの脳は親密なコミュニケーションの技術を獲得し、学ぶことの楽しさを覚えるようになる。これらの年月はすぐに過ぎ去ってしまう。小さな子どもとの生活を楽しめるうちに楽しんでおこう!」
 このなかで、乳幼児が最も必要にしているのは、母親と特別な絆を結ぶことであるとしていながら、父親も、授乳を除けば、赤ん坊のすべての欲求に答えることができるとしています。しかし、父親と母親のやり方は異なっているそうです。「さまざまな研究があきらかにしているところによれば、父親は子どもたちと遊ぶときに、母親より活発である。父親が子どもたちを興奮させるのを好むのに対して、母親は、子どもを落ち着かせようとする傾向がある。」
 どちらにどんな役目があるかを別としても、父親、母親が必要なようです。6歳以下の子どもたちは、まず、両親とのふれあいの中で、人とかかわる力や、人の気持ちを察する気持ちや、コミュニケーション力の基本が付いてきます。その安心感の元で、他人へと世界が広がっていくのでしょうね。

父親と母親” への1件のコメント

  1. 4歳になるひとり息子がいます。藤森先生が強調される「選択」ということを今日のブログを読んで思い起こしました。普段から「自分から選んで決める」ということをしていれば、「判断力」がつき、「意欲」をもってモノゴトに取り組めるようになる、と思いました。そして、愛情を大いに注ぎ込むことの大切さも痛感しました。さらに、仲の良い「おとうさん」「おかあさん」であることを子どもが実感できるような夫婦関係の意識化も大事であることにも気づきました。子どもの良いモデルとなりたい、と今日のブログを読んで強く思いました。

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