夏の夜

 夏は、さまざまな経験をする上で、もっとも良い季節です。それは、寒くて凍える心配がないこともひとつです。ですから、昔はよく一人旅などは、夏に出かけることが多いです。駅でも、公園でも寝ることができるからです。でも、今は、夜、公園で寝るときの最大の困難の理由が、寒さでも食べ物でもなく、人間であるというのが悲しいですね。一人旅のときに、一番助かるのが人間でしたから、ずいぶんといやな世の中になったものです。また、夏は寒くないので、夜のさまざまな体験ができます。ひとつは、「暗さ」の体験です。今の時代、真っ暗闇という体験ができなくなりました。特に、都会では、夜も昼間のように明るいところが多いです。それは、家々の照明よりも、自動販売機やコンビニの照明がいやに明るいですね。安全面では明るいのはいいのでしょうが。若い頃に、中学生を連れて、よく田舎や山小屋に泊まりました。そのときに、ろうそくをもって入る洞窟があると、(もちろんきちんと整備されたところですが)みんなでそこに入って、中で一斉にろうそくを消す体験をさせました。まったくの暗闇です。自分でも、目をあけているのか、瞑っているのかわかりません。しかも、少しでも光があるといいのですが、そんなところは、いつまでたっても目が暗闇には慣れません。すると、なんだかかえってまぶしくなります。音も同様ですね。まったく音のしないあの「シーン」とした中では、かえってうるさい気がします。まったくの暗闇、まったく音のない世界の体験は、今、どこでもなかなかできなくなりました。また、夜は、夜行性の動物が動き回ります。そして、空には、星が出ています。ということで、夏に、夜を体験するさまざまなイベントが行われます。「夜の動物園、水族館」を体験するものとして、青森の「浅虫水族館」や千葉の「鴨川シーワールド」では、眠るラッコやウミガメや夜のアシカやいるかを見たりします。秋田の「男鹿水族館」や茨城の「アクアワールド大洗」や横浜の「八景島シーパラダイス」では、水族館に泊まることができます。動物園では、さまざまなところで、夕方から夜見ることができるようです。また、「夜の森を歩く」イベントも行われます。軽井沢野鳥の森では、夜の森を歩きながら、樹木のにおいや沢の音など、五感を研ぎ澄ませてのナイトハイクが行われます。長野県飯倉市のなべくら高原では、真っ暗なブナの森の中を、前の人の肩につかまりながら、最小限の光で歩くそうです。そして、青木湖キャンプ場や八ヶ岳自然文化園など長野県の各地では、星や蛍を見る会があるそうです。
 今日、園では4,5歳児の「お泊り保育」を行っています。もうひとつの園から4,5歳児のお客さんを迎えて、一緒に園に泊まります。夕方、園庭で夕焼けフェスティバルが、一部の父親たちに手伝ってもらって行われます。そして夕食後、近くの公園に、懐中電灯を持ってナイトハイクに出かけます。
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そして、園庭で、キャンプファイヤー、夜、寝る前は、天井に映し出された星空を見ながら星の話を聞きます。明日まで、盛りだくさんです。昼間には体験できないこと、夜ならではの体験は、夏の風物詩かもしれません。