今日は、静岡県の沼津から焼津へ移動しました。この地名を聞くと、たぶん以前ワープロを使っていたときや、今パソコンを使うときに、あることの覚えがあるはずです。それは、打ち込むときに「ぬまず」と打ち込むと、変な漢字になってしまうことです。それは、「ぬまづ」と打たないといけないからです。よく、「あいづ」と打つときでもそんな経験があります。そういえば、静岡県には、ほかにも「河津」(こうづ)もあります。このように読むほかに、「津」がつく地名も多くあります。途中に「興津」(おきつ)という駅を通りましたし、「三津」(みと)とかありますね。この「津」には、「船着き場」「船の泊まるところ」「港」などの意味があります。その由来は、出入り口の意味の「と(門・戸)」であるといわれています。「万葉集」にも、「海上(うなかみ)の その津をさして 君が漕ぎ行かば」と、「津」の使用が見られます。ですから、港を襲う波は、「津波」です。(一説には、強波(つよなみ)から「津波」になったとする説もありますが、これは、有力な説とされていません。)また、港の番人を「津」を守る人ということで、「津守」(つもり)といい、やはり万葉集に歌われています。「住吉(すみのえ)の―網引(あびき)の浮けの緒の/万葉 2646」また、同じような意味で、「浦」があります。これは、「裏」と同源ですが、「海などの、比較的小さな湾入部。入り江。」という意味があります。これを使った地名も多いですね。同じ静岡には、「田子の浦」がありますし、浦賀とかもその意味から来たのでしょう。いたるところの「津」や「浦」ということで、全国いたるところのことを、「津々浦々」(つづうらうら)といいます。また、渡し場と橋の意から「津梁」(しんりょう)ということばは、「人を導く手引きとなるもの」とか「つて」という意味に使われます。また、これを「衆生(しゆじよう)を彼岸に導くことから」ということから、「仏」(ほとけ)や「仏の教え」のことを言うこともあります。あと、これははっきりしませんが、「津津」(しんしん)という言葉がありますね。これは、「あふれ出て尽きないさま」ということを言います。「興味津々」というように使いますね。これも、なにか「津」に関係があるかもしれません。
 ほかにも、地名に「津」に関係する場所を思い出してみるといろいろなことが分かります。静岡県同様、海に面する県には、「津」がつく地名は多いですね。たとえば、千葉県にも「木更津」「君津」などがあり、もちろん、三重県の県庁所在地の「津」も港です。また、滋賀県の県庁所在地である「大津」という地名の由来も、琵琶湖の大きな港を意味し、後に古津(ふるつ)という呼び名から大津に改められたと言われています。同様に出雲にある「大津」も、古代から江戸期にかけ、斐伊川を通う舟が奥地の産物を運んだ大きな港であったことから名づけられています。埼玉県の「松戸」という地名の起こりも、もともとは、太日河(ふとひがわ・現在の江戸川)の津(渡し場)でもあったことから、「馬津(うまつ)」とか「馬津郷(うまつさと)」と呼ばれていたのが、「まつさと」になり、やがて「まつど」になったといわれています。
 しかし、どうも「会津」は港には関係していないようです。会津の地名の由来は,古の昔の坂上田村麻呂の東方征伐にさかのぼります。太平洋側と日本. 海側の二手に分かれた両軍が,この津で初めて出会ったという故事によるという話です。「津」には、「盆地」という意味もあるようです。

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