いろいろな地方にいっても、また、毎日園に通ってきても、自然の変化には感動することが多いです。それは、日本の緯度の問題や、地形の形や、海流の流れ方などが関係しますが、それによって、春、夏、秋、冬の四季の変化がはっきりとしていて、またその時々の自然が大変美しい国です。梅雨もその季節の一つだと思います。六月の中頃から七月にかけて、雨や曇りの多い日が続きます。日本のあたりで、寒流と暖流がぶつかることもあって、海産物は豊富ですし、恩恵がたくさんあります。その海流がぶつかるだけでなく、梅雨の時期には、日本の上空では2つの大きな空気の固まりがぶつかっています。その一つはオホーツク海に中心を持って日本を北の方からおおっているオホーツク海気団という冷たい空気です。もう一つは、太平洋に中心をもって日本を南の方からおおっている暖かい空気です。小笠原気団といいます。この2つが、6月から7月にかけて日本の上空で押しあいっこをしています。暖かい空気と冷たい空気がぶつかると簡単には混ざらずその境目で、温かく水分を含んだ空気が上昇し、雲を発生し雨を降らせます。どちらかの力が強いとその境目が日本の上にできなくていいのですが、梅雨の時期は引き分けの状態で力が釣り合っています。このような境目を気象では停滞前線と呼んでいます。雨の日が続いていい気分はしませんが、梅雨の雨は生き物にとっても私たち人間にとってもなくてはならない時期です。私たちの生活にはたくさんの水が必要です。梅雨の雨は私たちが生きていくのに必要な真水を湖や川にそして大地に1年分蓄えてくれる大切な役目をしているとも言えます。梅雨の雨にぬれた「アジサイの花」、田植えが終わった水田で鳴く「カエルの声」、日本の風景です。

通園路脇のアジサイ
梅雨から夏にかけて咲くアジサイは、七変化と言われるように咲いているうちにだんだん色が変化していきます。そのためか花言葉は「移り気」です。そんなアジサイ、原産は日本です。もとは関東地方の海岸に自生していたガクアジサイで、花が手毬状に咲くアジサイはその変形です。ガクアジサイは中心の小さい両性花と、まわりの大きな装飾花から成っています。その装飾花だけが丸く手毬状になっているのが一般的な手毬型のアジサイです。本来の日本のアジサイは青だったそうです。アジサイについてよく言われる話ですが、土壌が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなるといわれますが、園に沿って咲いているのを見ると、どうもそれだけではないような気もしてきます。
また、「雨後のたけのこ」とは、梅雨のころということではありませんが、雨が降ったあとの春の竹林には、たけのこが次々と生えてくることから、同じようなことが次々と起こったり、あらわれたりすることという意味に使われます。このように、昔から、たけのこは成長が早いもの、すくすく伸びるものの代名詞とされてきました。「筍」という名前も、「10日間(旬)で、 竹になってしまうほど成長が盛ん」というところから付けられました。私が小さい頃見た漫画に、忍者が訓練をするとき、たけのこを飛んで越えさせるというものがありました。どんどんたけのこが大きくなるので、跳ぶ力がそれにあわせてついていくという修行です。ちょうど園庭の釣竿に使う布袋竹の林の中にたけのこが出ていました。あっという間に、大きくなってしまいます。