ドイツに行って、バスに乗ったときにガイドさんがこう質問しました。「ドイツの町並みを見てください。町並みを見て日本にはよく見られるもので、ドイツではほとんど見ないものが二つあります。なんでしょうか。」「それは、自動販売機と看板です。」確かにその二つがありません。日本で、今、景観を壊すものとして挙げられているものに、「電線や電柱が数多く走る街並、無秩序な看板やネオンサインの乱立、駅前の放置自転車、公共地域での乱雑なごみ放置、歴史的建造物に重なる大型建築物、海岸を埋め尽くす波消しブロック」といわれています。ドイツでは、もちろん電線や電柱もありません。それは、地下に埋まっているからです。あると思うと、市電の電線です。
先日の朝日新聞に「悪い景観100景」選定 「風格なし」「看板洪水」という記事が出ていました。これは、都市計画、建築、土木などの専門家グループが、日本の「悪い景観100景」の選定を進めているものです。巨大看板、電線電柱、不況の街のシャッター商店街などが挙げられていますが、私がブログで景観を壊すものとしてあげた、小泉首相が「空の復活」を提唱した日本橋も含められています。70カ所をすでに選んで、写真にコメントをつけてホームページで公表していますが、そのほとんどは、看板です。ビルに巨大な看板がある銀座の一角は「世界の銀座にふさわしい風格が見られない」、新宿の夜景は「無差別な広告看板の洪水」などのコメントがつけられています。
ドイツの町並みを通るときに「マイバーム」というポールを見かけます。英語で言うなら「メイツリー」、日本語で「5月の木」です。
長く寒い冬が終わった5月にこの木を村の広場に立て、その回りで踊って喜ぶのだそうです。日本でも、最近、札幌などにも立てられるそうです。大きな木の先端の枝だけを残して他の枝を落とし、幹は皮を削って飾り彫りにします。先端からはリボンを垂らしたりします。この先端を掴んで木の回りを男女が踊るのです。木の途中には看板を付けたりします。町によっては木ではなくポールに白と青(バイエルン州の旗の色)の螺旋の色を付けたものも目に付きます。これは、ただその周りで踊るだけでなく、かつて村の案内板の役割もしていました。この村にはこういった職人がいるよということを旅人に判るようにし、旅人はそれを見てその職人の元を訪れ修行したりするのです。ですから、共同の看板なのです。そして、それぞれの家には看板は立てないのです。それがあるというわけではありませんが、都会の繁華街でも、看板はもとより、宣伝用ののぼり、コンビニエンスストア、自動販売機、ガードレールなどは見られません。
何が景観としてよいのかというと、個人差があります。建物の形状や色などは、個人的な好みもあります。たとえば、少し前に、ビルの上にジェットコースターをつけようとして反対にあい、取りやめました。今回の「悪い景観」に選ばれてしまったなかにJR鹿児島中央駅駅ビルの観覧車があります。私もこの間それを見て奇妙に思ったのは事実ですが、作った鹿児島ターミナルビル側では、「地元では好評いただいているので意外です」と、当惑しているそうです。観光ポスターに写真が使われ、新しい名所にもなった。「住んでいる人と、中央の専門家の見方に差があるということなんでしょうか」と首をかしげているそうです。難しいですね。
●ご紹介があった「日本の悪い景観100選」をネットで見てみました●普段は、特に奇異に感じない景観もあるのですが、言われてみれば…確かに、というのもありますね(まるで、自分自身全体が汚染?されている、という気持ちになったようでした)●本園も“園児募集”のポスター、園の広告看板など地域社会に出しています(広告看板を出す時などの心理は、景観としてでなく、意志として訴えている、ような気がします)●どのような出し方をしているのか、出すのがいいのか、今一度、景観という視点から我が園の掲示物を見直したい。