日本は、本当に四季折々に花が咲きます。今日は、母の日なので、町中でカーネーションを持った人とよくすれ違います。古代ギリシア時代から栽培されていたというカーネーションは、日本へは、江戸時代にオランダから渡来しました。そして、父の日に贈るというバラの花はそろそろ盛りになります。今日は、都内にある「バラ園」に行ってみようと思いました。まず、駒場にあると聞いて、井の頭線で、「東大駒場前」で降りてみましたが、何も書いてありません。駒場公園かと思って行ってみましたが、数本しか見つからないので、ついでにその園内にある「旧前田侯爵邸洋館」を見学しました。この建物は、旧加賀百万石・前田家の第16代当主・前田利為(まえだとしなり)侯爵の本邸として建てられ、当時「東洋一の邸宅」といわれていました。戦後、連合軍により接収され、極東軍司令官の官舎として使われていましたが、その後、東京都が建物と土地を買収し、東京都近代文学博物館となりましたが、いまは、この文学博物館は閉館しています。以前、ブログ(12月16日)に書いた鎌倉にある「旧前田侯爵家別邸」の本邸です。この建物は大正末から昭和初期に建てられた大邸宅建築を代表する一つで機能性を重視し、当時における最新の技術を駆使しています。建物のデザインは、チューダー様式で、イギリス後期ゴシック様式を簡略化したもので、玄関ポーチの扁平アーチにその特徴をみせています。また、内部は一変して王朝風に装飾が施され、各室はイタリア産大理石によるマントルピースや角柱、壁にはフランス産絹織物や壁紙を貼り、イギリス家具などを配したヨーロッパ調ですが、こうした洋風の室内に江戸情緒をのぞかせる唐草に雛菊をあしらった文様なども見られます。1991年には東京都有形文化財(建造物)として指定されました。鎌倉の別邸は、三島由紀夫の小説「春の雪」の舞台として描かれていますが、映画「春の雪」では、こちらの本邸が撮影に使われたそうです。

「旧前田侯爵邸洋館」と「鳩山会館」
そのあと、「バラ園」がある「鳩山会館」に行ってみました。ここは、小沢が党首になる少し前に民主党で「桜を見る会」をやったことで有名になりました。文京区の音羽の丘にあります。鳩山家は、衆議院議員の和夫、総理大臣となった一郎、外務大臣をつとめた威一郎、さらに衆議院議員の由紀夫、邦夫、と四代にわたり指導的な政治家を生み育てたと入り口の案内板に書いてあります。この洋館を建てたのは一郎で、美しい洋館が姿を現したのは、関東大震災の翌年大正13年です。ここを舞台に、戦後政治の画期となった自由党(現・自由民主党)の創設が計られ、また首相として決断した日ソ国交回復の下準備も行なわています。設計を手掛けたのは一郎の友人である、大正・昭和初期を代表する建築家として知られる岡田信一郎です。彼は、歌舞伎座も設計しています。19世紀末にフランスで実用化された鉄筋コンクリートの技術は、20世紀の始まりとともに世界中に広まり、耐震的な建築構法を模索していた日本でも、その新工法にとびつくことになる。鳩山邸がつくられた頃には、すでに耐震建築理論まで研究されていました。岡田は、この建物の設計において、快適なイギリス風邸宅をつくること、最新の鉄筋コンクリート工法を駆使し、安全で開放的な洋館をつくることを課題としました。いまは、公開されています。そして、イギリス風の外観の前に広がるバラ園では、さまざまな種類、色のバラが咲いていました。
