最近、毎年ドイツに行っています。そして、そのときに必ずその中の1日、夜に教育委員会の幼児局の局長さんから食事に誘われます。彼女は、以前、40人ものドイツの保育者を引率して私の園に訪ねてきたことがあり、その時に、園での実践を気に入られて、都内の宿泊するホテルに着くまでずっとバスの中で、いろいろとカリキュラムについての話をしていきました。その後、世界保育大会に招待されたりしています。彼女は、今、10歳である子を一番下に4人の子どもがいます。一番上の子は、もう28歳だそうです。その彼女と毎年会うときに、戸惑うことがあります。それは、会ったときの挨拶です。最初は、握手を求められました。握手の由来はいろいろとあるそうですが、よく言われるのは、手に武器を持っていないことを証明することから始まったということです。それによると武器を持つであろう利き手は右手の人が多いため、握手をする手は右手になったのだそうです。握手するときは、背筋を伸ばし、必ず相手の顔(目)を見て行うことが礼儀だそうです。そして、強すぎず、緩すぎないように握ります。強すぎては相手に不快感を与え、また緩すぎても好意を表せません。アメリカでは弱い握手は「Dead-fish handshake」と呼ばれ、死んだ魚を握るようで気持ちが悪いと言われているようです。お辞儀をしながら握手をするのは卑屈に見えるので、あまりしない方がいいそうです。私は、本当は、あまり握手が好きではありません。日本では、どうも、すぐに握手したがる人たちは、あまり好きでない職業の人が多いからかもしれません。しかし、外国では違います。ですから、できるだけ、気持ちよく握手をするようにしています。しかし、ドイツに行って、何度目かの時に、握手をしようとしたら「あなたとは、握手しません。」と断られました。嫌われたのかと戸惑っていると、突然、抱きつかれました。あせりました。しかし、どうということはありませんでした。いわゆる「ハグ」されたのです。ハグ(Hug)とは、辞典には、「(人が)(人・物)を(両腕で)しっかりと抱きしめる。(クマが)(人などを)前足で抱え込む」とあります。彼女がいくら体格がいいからといって、まさか熊に抱きつかれたというわけではありませんが、私は、どうも握手以上になじめません。他人の大人と抱きつく経験がないからと、抱きついたときに、背中で手をとんとんとたたきあうときは、まさに照れてしまいます。すると、心がこもっていないとしかられます。それでも、何とか平気な顔をしてハグができるようになったかと思っていたら、今年行ったときに、また驚かされました。なんと今年は、ハグされながら、顔をつけられ、両頬にキスをされたのです。まあ、国によって違いますが、私は、やはり「お辞儀」がいいですね。握手は親睦・和解の表現として行われることが多いのですが、お辞儀は相手への敬意を表します。お辞儀は自分の首を差し出して、相手に対して敵意がないことを表現したことに由来するといわれ、飛鳥~奈良時代、中国の礼法を取り入れ、身分に応じたお辞儀の形が制定されたのがお辞儀の始まりといわれています。お辞儀には「立礼」、「座礼」の2種類があり、また礼の深さで分類すると「最敬礼」「敬礼」「会釈」の3種類があります。また、「礼三息(れいさんそく)」という言葉があり、息を吸いながら腰から上を前に倒し、止まったところで息を吐き、そして再び息を吸いながら元の姿勢にもどります。これをすると大変丁寧な印象を与え、また自分自身の精神状態を落ち着かせる効果もあるようです。この微妙さが、日本人らしくて、いいじゃないですか。
保育界に関わるようになってから「握手」というものを覚えました。研修などで再会を祝して?「やあーやあー」と言って「握手」します。その癖がついてしまい、再会しては「握手」していました。藤森先生と出会ってからはその癖が徐々に出なくなりました。私は背が低いので「ハグ」されると大抵の場合、相手の体の中にすっぽりと納まり、束縛感の方が勝り友好どころか支配された感じが強くなっていけません。「握手」の方が「ハグ」よりはいいですね。「ホッペにキス」・・・チョー抵抗感があります。距離を置いて、お辞儀をするのがどうやら私には心地よい、ということがわかります。お辞儀しあう位の関係が私には丁度よいですね。