母と父

 明日は、5月の第2日曜日なので、「母の日」です。というのに、今日は、園に大勢の父親が集まって、会議をしました。それは、6月の第3日曜日の6月18日が父の日だからです。というのは、父の日にちなんで、園を1日中、園長から始まって、各クラスの担任もすべて父親だけで保育する日の、第1回打ち合わせをしたのです。
 日本で初めての母の日を祝う行事が行われたのは明治の末期頃で、教会で祝われ始め、徐々に一般に広まっていったと伝えられています。昭和に入ると、当時の皇后の誕生日であった3月6日を母の日としていました。一般に広く知れ渡ったのは1937年に森永製菓が告知を始めたことをきっかけだとも言われます。日本で、世界的発想の記念日は、大体、企業が広めるのですね。日本で最初にバレンタインデーの広告を出したのは戦前にモロゾフでからでした。それは、あまり定着しませんでしたが、戦後、メリーチョコレートが、東京・新宿の伊勢丹デパートで「バレンタインには女性から男性へチョコレートを贈りましょう」というキャンペーンを行なって、その後、日本チョコレート・ココア協会が、2月14日を「チョコレートの日」と制定し、デパートなどの流通業界も加わって大々的にチョコレート商戦を繰り広げたため、1970年代後半から定着し始めたといわれています。まんまと成功しましたね。日本の「父の日」は、1950年頃から広まり始め、一般的な行事となったのは1980年代です。母の日のシンボルフラワーとしてカーネーションがあるように、父の日のシンボルフラワーは、バラの花です。アメリカでは、「母の日」「父の日」とも祝日です。父親が育児をすることの意味を、私は、何回か園の巻頭言で書きました。そのうちのひとつを紹介します。
「90年代以降、父親論が盛んに行われるようになりました。最近、アメリカでは、子どもの教育が未来社会のための最も重要な投資であるという認識のなかで、子どもの社会化環境に対する危機感の強さから父親政策に力を入れています。ある書物(It takes a Village)では、父親をすることの意味は?との問いに対する答えとして、以下の5つがあげられています。
1、母親だけでなく、父親もかかわることで、子どもの発達によい影響をもたらす。
2、父親がかかわることで、母親の子育てにゆとりをもたらす。(母親にとって)
3、父親の生活に幅と厚みをもたらす。(父親にとって)
以上の点は、よく言われることですが、以下の二つは、これからの時代にとても大切なことです。そして、それが、保育園で行われる「父親保育」の目的なのです。
4、父親をするというのは、家庭を閉ざしてわが子の父親をのみするのではなく、家庭を社会に開き、地域の親たちとかかわり、地域の子どもたちの父親になるということが重要なのです。親たちが地域のネットワークの中にしっかりと足場を持っていることは、子どもたちに安心感をもたらすのです。
5、父親をすることで、夫婦の、あるいは男女の新しい関係の構築につなげるのです。育児について、母親、父親どちらか一方が主役ではなく、柔軟な男女の関係が子どもに伝わることが必要なのです。」

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