今日は、こどもの日です。先日、園で「子ども日祭り」をやったときのことです。こいのぼり役をした保育者が、途中で元気がなくなりました。(もちろん、演技です)司会者が、元気にするためにいろいろな食べ物をあげますが元気になりません。何が好きなのだろうと子どもに問いかけたところ、年長さんみんなが、大きな声で「空気!」と叫んでいます。確かにそうでしょうが、司会者は、「風」と答えさせたそうです。たしかに、考えてみると、こいのぼりは、風が吹くと元気になりますが、口から入るものは空気ですね。どうして、空気が口から入るかというと、体の一番先頭に「口」があるからです。顔は、「口」を中心にできたものだといわれています。動物にとって、口は食べ物を入れる場所だけではなく、一番の「武器」になることが多いのです。ですから、人間以外の動物は、通常は胴が水平になっていて、体の一番先頭に口がついています。こいのぼりは、口が先頭にあるので風が入っていいのですが、普通は、口を先頭に歩いていると、いろいろな物が口に入ってきてしまいます。また、障害物にもぶつかってしまいます。そこで、危険を判断するために、目や鼻や耳などほかの感覚器官が顔に集まってきたそうです。それらの位置関係も、その生きていく環境にあわせて適応してきたのです。そうして、人間の顔ができてきました。そして、今、顔には、生殖器系と泌尿器系を除いた器官系がすべて集まっていて、複雑な構造になっています。人間にとっての「口」は、ものを食べる、呼吸をする、感覚するといった機能的な役割を果たすことだけにとどまらず、心が現れる舞台としての役割があるといわれています。立教大学の名誉教授である「香原志勢」氏がこのように言っています。「『顔』。それは人間の心が無意識に表れる場所でもある。また、意識が顔を現す場所でもある。顔だけでその人自身を表せるほど要の部分でありながら、自分の顔は自分で直(じか)に見ることができない。それは、人間が人間を探求しながら、なかなかその見えざる本質に辿りつかないことにも通じてはいないか。自分では見えない自分自身を探るひとつの手掛かり、それが『顔』なのではないだろうか。」
 先日、園に尋ねてきてくれた須賀さんから、自分が訳したという本をいただきました。「顔立ちから 子どもを知る」(L・コルマン著 須賀恭子訳 北小路書房)という本です。サブタイトルに、「ルイ・コルマンの相貌発達心理学」と書かれています。いろいろな学問があるのですね。その本の「訳者あとがき」にこう書いてあります。
「人と人との直接の交流は、相手と顔を見合わせることから始まる。初対面であっても、最初の一瞥でお互いに第一印象をこころにいだく。相手から顔をそらしがちになるのは、互いに受け入れがたいことを暗示している。言葉を交わしている間も、言葉以外の手段がコミュニケーションの底流を支え続ける。この間、顔の表情の交流は特に重要な役割を果たし続け、相互に第一印象を修正しながらもより強い印象を形成していく。」
 少し前にテレビのNHKの番組でやっていましたが、赤ちゃんに話しかけるとき、母親が、目をそらして話しかけたり、携帯電話で話しかけたり、ついたての陰から離しかけても、赤ちゃんの前頭葉は少しも刺激を受けていませんでした。直接顔を見つめて話しかけること、そうすることで、前頭葉も、コミュニケーション能力も、育っていくようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">