夜、車に乗せてもらった時にびっくりしました。その車にカーナビがついていたのですが、今のカーナビはすごいですね。そこには、これから進む道が立体的に出てくるだけでなく、その地平線の上に、夜空が映し出されていたのです。星空が広がっているのです。進んでいる方角が東でしたので、地平線から顔をのぞかせ始めていたのが、こと座のベガです。これは、夏の大三角形のひとつで、織姫星です。夏の代表的な星なので、「ああ、もう夏の星が出始めているのだ。」と、思いました。そういえば、同じく、春に形作る0等星、1等星、2等星の3つの明るい星でできた「春の大三角形」は、もうすでに南中しており、春も終盤を迎えつつあることを示しています。春の大三角形とは、うしかい座の「アークトゥルス」、おとめ座の「スピカ」、しし座の「デネボラ」を結んだ三角形のことです。この三角形は意外と大きいものです。うしかい座のいわれには,いろいろな説があります。大神ゼウスの妻ヘラの呪いによって変えられた大熊(おおぐま座)を追う息子のアルカスの姿,あるいは,天をせおわされている,石になった巨人アトラスの姿ともいわれています。うしかい座の「アークトゥルス」は、だいだい色の1等星です。アークトゥルスはギリシャ語では熊の番人という意味で、日本では麦星と呼ばれています。しかし、他の星はあまり目立った星はありません。オレンジ色の男性的なアークトゥルスに対して、おとめ座のスピカは、白っぽく光り、女性的な輝きを放っています。スピカは,その色から日本では「真珠(しんじゅ)星」とも呼ばれていました。両者をカップルに見立てて「春の夫婦星」と呼んだりしています。しし座は、「?」(クエスチョンマーク)を裏返したような「ししの大鎌(おおがま)」と呼ばれる星の並びを頭として,前足,後ろ足と比較的明るい星を結んでいくと,ししの姿になります。その「しし座」の胸に輝く一等星が「レグレス」で、「小さな王」を意味しています。それは,この星がちょうど天球上で太陽の通り道である黄道に位置するため、古くから王の星として重要視されたためです。また,星占いでのこの星座の守護星は「太陽」になっています。
この三つの星に、りょうけん座コル・カロリを結んだひし形が、「春のダイヤモンド」(おとめのダイヤ)と呼ばれています。また、北斗七星の柄杓の柄のカーブを延長すると、これらの「アークトゥルス」「スピカ」をつないでいくカーブができますが、これが「春の大曲線」と呼ばれる曲線です。
今、なぞの彗星が地球大接近しているそうです。夜9時ころの位置は、こと座のベガからこぶし二つ分、上にいったところだそうです。この彗星は、「SW3彗星」と呼ばれ、夜空がきれいな場所であれば、肉眼でも見えるかもしれないそうです。余裕があれば、大接近の5月中旬の頃は見るチャンスです。2時間ほどでお月様一個分の距離を移動しますから、双眼鏡で見ていると、じわじわと彗星が東に動いていく様子がわかるそうです。まさに宇宙がダイナミックに動いていることが体感できるでしょう。なお、国立天文台でも、連休中に「謎の彗星見えるかな?」キャンペーンを行っていまので、興味がある人は参加してみてはいかがでしょうか。
ついでに、春の星も眺めてみてください。星は、どの季節にも話題を提供してくれます。