脳トレ

今日の読売新聞の夕刊のトップ記事が「老いも若きも 脳トレ」でした。最近、中高年に人気なのものに、携帯ゲームがあります。それは、東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授が監修している「脳を鍛える 大人のDSトレーニング」というものです。川島氏の考えでは、「脳の機能は青年期を過ぎると加齢とともに低下するのは、体力や筋力が年々低下するのと同じなので、体力や筋力が毎日の運動習慣で低下を防ぐことができるように、積極的に脳を使う習慣をつけることによって、脳の機能の低下を防ぐことができる」というものです。
もうひとつ、脳で最近注目されているのが、以前のブログ(4月18日)でも書きましたが、「前頭前野」です。この部分の働きは、「蓄えられた知識をうまく活用する」「現実をうまく処理したりする」「創造・記憶・コミュニケーション・自制力などの源泉」といわれ、「本当の頭のよさ」とは「前頭前野」をうまく使えるかどうかであることは、みんな分かってきています。そして、川島教授は、「音読」や「計算」が脳に効果的なトレーニングであることを、機能性MRIで脳の血流を測定し、それを勧めています。すなわち「脳を鍛えるには簡単な計算を速く解くこと、声を出して文章を読むことが有効である」ということです。
 この川島教授のさまざまな提案は、なんだかいまさらどうしてと思うことがあります。確かに、今までのことを科学的に証明したことは分かるのですが、古くは日本でも、声を出して論語などを読むのが一般的な勉強方法だったのです。建物の間取りのオープンスペーススクールや、ティームティーチングも、習熟度別も、異年齢での学習も、みんな日本の藩校や寺子屋で行われていたことです。教育内容までもとっくに日本で行われていたことですね。また、百マス計算とか、簡単な計算から脳を育てるということも、昔から教育は、「読み」「書き」「計算」といわれていたことです。私は、それを実践したわけではありませんが、1年生を担任していたとき、「スピードテスト」というものをしていました。足し算を教えたとき、一桁+一桁の計算のパターンは限りがあり、それだけはその後縦書き計算を習っても暗算でやらなければならないと思いました。その全種類は覚えてもらったほうがいいと思い、わら半紙1枚に20題の足し算の問題を印刷し、それを何通りも作っておきました。そして、ある時間内に何題できたかで、下のほうに道路が描いてあって、そこに解けた目盛りの分だけ車が進めるようにしました。子どもたちは、喜んでそれをやっていました。朝、私が教室に行くまで自分たちでそれを出して、やったり、時間が空くとその問題をやりたがりました。まったく、百ます計算のようなことをやっていたのです。今となればそのおかげかもしれませんが、私のクラスだけ、ほかのクラスより知能テストが高く、他のクラスの先生からうらやましがられたものです。しかし、私は、そんなことのおかげとは思いません。子どもたちといっしょにものを考え、ふれあい、いろいろなことを経験させたからだと思っています。そして、いくら計算が脳にいいからといって、携帯ゲームでやるのはどうかと思います。音読にしても、子どもに読み聞かせをすればよいことで、画面を読む必要はないと思うのですが。やはり、人間を相手にすることが一番いいと思います。