四季の移ろい

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 今日は、隅田川沿いに下流に向かって歩いてみました。「春」「桜」と聞いて、私が思い出す歌が2曲あります。それは、育った地域柄もあるのでしょうか、武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲の「花」です。私が育った地域は、台東区の鳥越というところで、駅でいうと総武線の浅草橋、小学校の校区は、鳥越のほか、蔵前、柳橋、など江戸時代から由緒ある地域です。そして、そのはじは、隅田川が流れています。そこで、思い出す曲といえば、「花」「桜」「隅田川」とくれば、当然ですね。
1.春のうららの 隅田川 のぼりくだりの 船人が 櫂のしずくも 花と散る 眺めを何に たとうべき 2.見ずやあけぼの露浴びて われにもの言う 桜木を 見ずや夕ぐれ 手をのべて われさしまねく 青柳を 
3.錦おりなす長堤に 暮るればのぼる おぼろ月 げに一刻も 千金の ながめを何に たとうべき
 誰でもよく知っている歌ですね。学校では、二部合唱でも歌いました。童謡のようですが、この曲は、もともとは、東京音楽学校に赴任直後の武島が書いた詩に、同校助教授だった滝が曲をつけたもので、組歌「四季」として出版されました。その四部作の中の「春」が有名になったのです。この組曲は、日本人の手による歌曲の第1号であり、また、合唱曲としても第1号であり、唱歌の域をはるかに超えた日本初の芸術歌曲なのです。歌詞一番の「隅田川」と、二番の「露浴びて」とでは、メロディが変えてあるのが特徴です。また、三番の「一刻も千金」は、漢詩の句「春宵一刻値千金」(蘇軾「春夜」)を引用しています。 「春宵一刻 価千金 花に清香有り 月に陰有り 歌管 楼台 声細細 鞦韆 院落 夜沈沈」
「春の夜は、まさしく千金の価値がある。花はすがすがしい香りを放ち、月は朧にかすんでいる。歌や管絃で賑わっていた楼台も、今は静かなたたずまいを見せており、ブランコに乗る人もいない中庭に夜も更けてゆく。」
 もう1曲は、私の出身小学校の「育英小学校」校歌です。台東区の学校の校歌は、土地柄から当然でしょうが、歌詞には「上野」「浅草」「隅田川」「桜」の文字が多く出てきます。また、台東区の歴史、伝統から、作詞は折口信夫、久保田万太郎、西条八十、佐々木信綱、サトウハチロー、土岐善磨、作曲には古関裕而、中山晋平、山田耕筰等が名を連ねています。育英小学校の校歌は、作詞は土岐善磨です。1.春はうららかに 秋は清く さくらもさくよ 菊もかおるよ ああ 花が 都会の庭に 開くよう 世界のうちに 育英 育英 力を合わせ 文化の国を 作ろうよ 2.朝はさわやかに 空は広く たがいにはげみ 学ぶよろこび ああ 潮が 隅田の川に 満ちるよう 校舎のまどに 育英 育英 誉れを集め 社会の人と 育とうよ
 小学生の頃はあまり思いませんでしたが、今では、その歌詞がつくづくいいと思います。もちろん、曲も今でも口ずさめます。出だしは、「花」の「春のうららの」と同じで、それに対応して、「秋は清く」です。最後の、文化の国を作っていき、よい社会人として育っていこうというのも好きです。「花」にしても、この「校歌」にしても、日本語の美しさ、そして、その言葉が表す日本の美しさ、四季の移ろいを感じます。最近の歌から、そんなものが消えそうなのはとても残念な気がします。また、海外旅行に行ったり、表参道ヒルズに行くだけでなく、もっと、心に余裕を持ち、四季の移ろいを感じるような場所に子どもたちを連れて行ってもらいたいものです。

四季の移ろい” への1件のコメント

  1. 今日の東京は、風に舞うさくらの花びらで子ども達が遊んでいました。 とても楽しそうな顔で 見ている大人の私たちもほっと幸せな気分になります。 
    日本の四季、美しいですね。
    土岐先生の講義を大学で受講したことがあります。学部が違ったのですが、有名な先生だからと友人に誘われてでしたので、もっと、真剣に聞いておけばよかった。あ~ 時間は戻りませんね。
    そして、私の小学校の校歌の作詞も 土岐先生でした。

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