花粉症

 そろそろスギ花粉の飛散が減ってくる頃でしょうか。しかし、5月の連休くらいまでは苦しそうです。私は、おかげさまで今のところ花粉症はありません。(いつ発病するか、ひやひやです)しかし、中学生の頃から、湿気アレルギーがあって、湿気が多いところ、気圧が変わるとき、雨が降り始めるときなどは、くしゃみを連発します。ですから、プールで顔を水につけたとき、浴室に入るとき、運動して鼻の中に汗をかくときなど大変でした。しかも、その頃花粉症などなかったのですから、くしゃみを連発すると怪訝な顔をされるか、風邪をひいたと思われました。しかし、良いところもありました。くしゃみを朝すると、その日は、「雨が降る」とわかったものでした。園を始めた頃、市内の園から、「今、くしゃみをしていませんか?」と、電話がきたものでした。その日の遠足をどうするか判断するためです。しかし、最近は、年を取ってきたせいか、ずいぶんと鈍くなってきました。結果的に良かったのか、悪かったのか。
 花粉症は、歴史的には、古代ローマの記録にも同様の症状が記録されており、19世紀末に、これらの症状が花粉によって起きることが解明されているそうです。日本における研究では、ブタクサ花粉症について研究発表が最初で、その後、スギ花花粉症等多くの花粉が関係していることが知られるようになりました。また、花粉症の発症については、大気汚染も関係するとも言われており、特に、ディーゼル排出微粒子等の粒子状物質が鼻粘膜に影響を与え、花粉の体内への侵入を容易にしている可能性が高いと言われていて、その研究を、平成3年度より動物実験及び疫学調査を進めているそうです。
 明治神宮の森は、「巨大なビオトープ」といわれています。この地は、もともと畑や水田、広い草原などがあった場所です。そこに神宮を作ることになったとき、最初、境内を公園や庭園のようにして花壇を作り、四季の美しい花でいっぱいにしたり、荘厳で雄大な杉林にしようという意見がありました。当時の大隈重信総理は、「伊勢神宮や日光の杉並木のようにしなさい。それには杉を植えなさい!」と言ったそうです。この発言に対して、植栽関係者たちは、「杉はこの土地に合わない木で、成長も悪い。ニセモノの自然だ。」と主張し、ここに大森林をつくるカシ、シイ、クスノキなどを主人公とした150年プランを、みんなで作ったのです。カシ、シイなどは、本来ここの地にニッチ(ある生物が生態系の中で占める位置)を持つ木々で、潜在自然植生といわれるのものです。最初は、それらの木を下層に、高くそびえる上層の木には、大きいものや前からあったアカマツ、クロマツを植え、中層には、生長の早いヒノキ、サワラ、スギなどを植えました。数十年経って、ヒノキ、サワラなどの針葉樹が生長し、マツ類と共に最上部を支配します。下層になる木は、上部に守られながら、中層にまで生長します。そして、カシ、シイ、クスノキなどの常緑広葉樹が次第に上層部に混じり始め、さらに100年ほどで上層部を支配し、主人公になっていきます。そうして、自然の安定した豊かな森林ができていきます。本物の自然は、人の手を加えないで、未来も永遠に続くのです。すばらしい、ビオトープです。今考えると、杉を植えなくて正解でしたね。