道を歩いていると、2月の初め頃から咲き始めている花があります。それは、いろいろな種類の水仙です。水仙といえば、私の年代の団塊の世代が思い浮かべるものがあります。それは、「七つの水仙」です。今考えると、なぜ、七本の水仙でなかったのでしょうね。これは、ブラザース・フォーの名曲です。この頃、意味もよくわからずに、英語の歌詞を丸暗記した思い出があります。「アイメノ ハバマンション アイハブン エニランド」という具合です。本当は、
I may not have mansion, I haven’t any land
Not even a paper dollar to crinkle in my hands
But I can show you morning on a thousand hills
And kiss you and give you seven daffodils
です。また意味も当時は余り関心はありませんでした。英語の響きがよかったからです。改めて意味を訳してみると、
「僕には、豪邸も、土地もない。手の中でしわくちゃな紙幣一枚さえ無い。けれど、千もの丘に降りそそぐ朝を、君に見せてあげられるよ。そして、くちづけと、七つの水仙の花をあげよう。」こんな歌だったのですね。
また、水仙というと、この歌の題名のように英語では「ダフォディル」といいますが、学名はナルキッススで、そのいわれをほとんどの人は、知っているでしょう。「多くの男女の愛を受け入れなかったナルシスが、水を飲んで渇きをいやそうと泉にやってきて、水を飲もうとのぞき込むと、そこに美しい少年がいます。彼はその少年に恋をしてしまいました。ナルシスはもだえ、やつれてこの世を去ったのです。姉妹や仲間たちが彼の埋葬をしようとやってくると、泉のほとりに死体はなく、そこに一輪の水仙が咲いていた。」というものです。しかし、山の「こだま」のエコーがナルシスに失恋した話を知らない人は多いかもしれません。「エコーは森のニンフのひとりです。あるとき女神たちの最高位のヘーラーが、夫ゼウスの浮気の相手の森のニンフを追いかけていましたが、エコーが現れて色々なおしゃべりで引き止めるので、夫とニンフとも逃してしまいました。怒った女神はエコーに「おまえなんか短い言葉しかいえなくしてやる」と言って呪いをかけたので、エコーは他人の最後の言葉を返すことしかできなくなってしまいました。あるとき、エコーは森の中を歩いているナルシスを一目見て恋心にとらえられ、ひそかにあとをつけました。ナルシスは狩りの仲間とはぐれて一人になってしまって、不安になって「おおい、誰かいるかい」というとエコーが「いるよう」と応えた。「出ておいで」というと「出ておいで」と言うだけで姿はありません。そこでナルシスが「一緒になろうよ」というとうれしくなってエコーは「一緒になろうよ」といって木陰から姿を出してナルシスにかけより、両手で首に抱きつこうとしました。驚いたナルシスが「はなしてくれ、誰がおまえなんかの思い通りになるものか」と飛び退きました。恥ずかしくて悲しくなったエコーは山に逃げ帰り食事もとらずに嘆くうちにやつれてひからびて岩の一部になってしまいました。今でも山では、大きな声で叫ぶとエコーがこだまを返しています。」ギリシャ神話で、最後に星座になる話は多いですが、最後に花になったり、岩になるのは珍しいですね。
水仙→七つの水仙→ブラザーズ・フォーという思考回路は年代が近いからでしょうか。
05年2月3日の拙文もお読み下さい。
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