官と民

 昨日の日曜日は、久しぶりに邦画を見ました。「有頂天ホテル」にしようか迷ったのですが、結局「県庁の星」を見ました。この映画は、大体こんなストーリーです。「県庁のエリート公務員の野村は、200億円をかけたプロジェクトを踏み台にキャリアの躍進を狙っていました。そのために、このプロジェクトに必要な「県と民間の交流」をクリアするため、何人かが民間で、半年間の研修をすることになります。野村は、三流スーパーに派遣されることになりました。そこで、パート従業員の二宮が野村の教育係になりますが、役所のスキルを押し通そうとする野村は、スーパーの現場に馴染めません。しかし、出世のために我慢をして何とか過ごそうとしますが、県庁では、野村抜きでプロジェクトが動きはじめてしまいます。その挫折感の中から、スーパーの立て直しを図り、県庁に帰ってからも、そのプロジェクトに参加するよりも、より住民の側に立った仕事に変わって行きます。」
ストーリーはなんだか、あまりにもできすぎのきらいがないではありませんでしたが、この中で面白かったのは、随所に見られる、役人の意識と、民間の意識の違いに対するせりふです。
たとえば、映画の最初のほうのせりふで、こんなやり取りがありました。
「接客マニュアルを見せてもらえますか?」「はぁ?そんなモノありませんけど」「じゃあ組織図を」「そんなモノなくたってまわっていきますから、民間は!」
先週、私の園で、東京都の基準による第三者評価を受けていたときを思い出しました。「この根拠になる書類は?この手順書は?これはどこに明示してありますか?」などという質問が投げかけられます。ある園では、「マニュアル書は?」と聞かれて、園長が、「私がマニュアルだ!」と答えたそうです。そう、答えたくなるときもありますね。役所内での書類作りに長けている主人公は、その作成のすばやさやマニュアル作りを同僚にほめられたときに「役所というところは、書類を作って何ぼという世界ではないか。」と答えます。住民が相談に来たり、苦情に来たりした時のマニュアルも作ってあって、「わかりました。前向きに検討します。」とあります。これは、何もしないことのマニュアルだといいます。また、役所というところを表現している言葉として次のようにいうところがあります。「成績優秀、書類第一、上下関係に厳しい」「人の上に人を作り、人の下に人を作るところ」「もらった予算は使いきれ!」「人を“使役”してこその“役人”」「間違いは認めるな。」そして、「スーパーに行って学んだことは?」と最後に問われてこう答えます。「素直にあやまること、素直に教わること、仲間と一緒にがんばること」
原作は、OLから転身した桂 望実さんの「県庁の星」という娯楽公務員小説だそうです。それが漫画にもなっています。
 大げさで、誇張しすぎるところはありますが、やはり、この映画から素直に教わることも必要ですね。また、書類にしても、この映画は、ただ、勘や経験だけに頼っている民間にありがちなやり方だけではなく、書類によって、きちんとした現状の把握、分析、そして改革をしていくことの必要性を言っています。しかし、どんなときでも、その書類は、真に誰のためのものかを忘れてはいけないと思います。

官と民” への1件のコメント

  1. 最近、園現場の先生から、役所への提出書類が多くて困るという声をよく聞きます。国が子育て支援に熱心になってから、その報告書類なども増えてきているようです。
    もっとゆったりと子どもと関われるゆとりが、保育の現場には必要ではないかと思います。
    余談ですが、「県庁の星」は私の住む県の県庁がロケ先になっています。

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