2006年03月07日 [地域を知る]
里山

今日は、園の裏の方に広がる里山を子どもたちと一緒に歩きました。里山は、自然と人間が、共に生かされてきた所です。そんな里山に似合うのは、人の気配を感じる立ちのぼる煙と、あぜ道を駆け抜ける子どもたちの姿です。このあたりには、まだ、人間に一方的に開発された街作りの隙間に、そんな里山が残っています。そんな里山をのんびりと歩いていると、突然いい香りがしてきます。紅梅が満開です。

道端を見ると、枯れているかに見える草はらも、春の準備が整っています。風はまだまだ冷たく、春はまだだいぶ遠いと滅入る気持ちを、吹き飛ばしてくれます。これから一面に咲くであろう青い花は、「オオイヌノフグリ」です。

日本の春の花には欠かせませんが、もともとは、地中海原産の帰化植物なのです。日本在来種は、「イヌノフグリ」と言いますが、今ではすっかり稀な野草になってしまいました。セイヨウタンポポが年々増えているのと似ていますね。タンポポの見分け方は、有名で、在来種はすべて総苞外片は反りませんが、外来種は総苞外片が反り返るので識別できます。イヌノフグリの在来種は、淡紅紫色で花がひとまわり小さいようです。また、オオイヌノフグリは、名前が有名ですね。子どもがその意味を知ると大喜びをします。しかし、その花の可憐さにしては、へんな名前なので、この花ほど改名が論議された花も珍しくありません。また、その横を見ると、紫の小さな花が見えます。この花も、道端や田んぼの畦道などで普通に見かける花です。葉の形が仏さまの蓮華座に似ていることから、「ホトケノザ」と呼ばれます。花を数段つけることから別名サンガイグサ(三階草)とも呼ばれているようです。しかし、春の七草でいうホトケノザでは、ありません。この花を料理して食べてみた学者があり、全く食用にならない事から、春の七草のホトケノザは通称タビラコの事であるというのが一般的になっているようで、今日ではホトケノザと言えばこの花を指します。春早く土手や野原を赤紫色に染め、群生すると、レンゲ畑のように見えます。似たような花に、オドリコソウやヒメオドリコソウがあります。ホトケノザも、やはり、古い時代にヨーロッパから渡来した帰化植物です。
帰り道に、これは野草ではありませんが、「馬酔木」を見つけました。アセビ、アセボ、アシビと読みます。伊藤左千夫を中心に創刊されたアララギ派の短歌雑誌 「馬酔木」(あしび)が良く知られていますね。この枝葉には有毒成分を含んでいて、馬が食べると酔って足がなえることから「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、しだいに変化して「あしび」そして「あせび」となったそうです。漢字の「馬酔木」もその由来によります。また、このことから、葉を煎じたものは殺虫剤としても使われています。日本原産のツツジ科の常緑低木でスズランの形をした花が古くから愛でられ、万葉集に10首詠まれています。
これからの季節、気候がよくなると同時にさまざまな花が咲き始めます。のんびりとあぜ道を歩きながら、春を感じたいと思っています。
投稿者 fujimori : 2006年03月07日 18:25
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