里山

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 今日は、園の裏の方に広がる里山を子どもたちと一緒に歩きました。里山は、自然と人間が、共に生かされてきた所です。そんな里山に似合うのは、人の気配を感じる立ちのぼる煙と、あぜ道を駆け抜ける子どもたちの姿です。このあたりには、まだ、人間に一方的に開発された街作りの隙間に、そんな里山が残っています。そんな里山をのんびりと歩いていると、突然いい香りがしてきます。紅梅が満開です。
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 道端を見ると、枯れているかに見える草はらも、春の準備が整っています。風はまだまだ冷たく、春はまだだいぶ遠いと滅入る気持ちを、吹き飛ばしてくれます。これから一面に咲くであろう青い花は、「オオイヌノフグリ」です。
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 日本の春の花には欠かせませんが、もともとは、地中海原産の帰化植物なのです。日本在来種は、「イヌノフグリ」と言いますが、今ではすっかり稀な野草になってしまいました。セイヨウタンポポが年々増えているのと似ていますね。タンポポの見分け方は、有名で、在来種はすべて総苞外片は反りませんが、外来種は総苞外片が反り返るので識別できます。イヌノフグリの在来種は、淡紅紫色で花がひとまわり小さいようです。また、オオイヌノフグリは、名前が有名ですね。子どもがその意味を知ると大喜びをします。しかし、その花の可憐さにしては、へんな名前なので、この花ほど改名が論議された花も珍しくありません。また、その横を見ると、紫の小さな花が見えます。この花も、道端や田んぼの畦道などで普通に見かける花です。葉の形が仏さまの蓮華座に似ていることから、「ホトケノザ」と呼ばれます。花を数段つけることから別名サンガイグサ(三階草)とも呼ばれているようです。しかし、春の七草でいうホトケノザでは、ありません。この花を料理して食べてみた学者があり、全く食用にならない事から、春の七草のホトケノザは通称タビラコの事であるというのが一般的になっているようで、今日ではホトケノザと言えばこの花を指します。春早く土手や野原を赤紫色に染め、群生すると、レンゲ畑のように見えます。似たような花に、オドリコソウやヒメオドリコソウがあります。ホトケノザも、やはり、古い時代にヨーロッパから渡来した帰化植物です。
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 帰り道に、これは野草ではありませんが、「馬酔木」を見つけました。アセビ、アセボ、アシビと読みます。伊藤左千夫を中心に創刊されたアララギ派の短歌雑誌 「馬酔木」(あしび)が良く知られていますね。この枝葉には有毒成分を含んでいて、馬が食べると酔って足がなえることから「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、しだいに変化して「あしび」そして「あせび」となったそうです。漢字の「馬酔木」もその由来によります。また、このことから、葉を煎じたものは殺虫剤としても使われています。日本原産のツツジ科の常緑低木でスズランの形をした花が古くから愛でられ、万葉集に10首詠まれています。
 これからの季節、気候がよくなると同時にさまざまな花が咲き始めます。のんびりとあぜ道を歩きながら、春を感じたいと思っています。

里山” への5件のコメント

  1. 里山という言葉は好きな言葉です。人と自然が共存できている場からは、人が主導権を握って都合良く作られているのではなく、共にという意識や自然に対しての思いが感じられるからです。全く手つかずの自然はそれはそれできれいなのですが、人と自然が共存している場はまた別の思いが湧いてきます。里山が大切にされる文化を、地方こそつないでいかなければいけないんだろうと思います。

  2. 私も里山は好きです。里山という名前の力士がいますが、その字が画面で見るとなんだかゆったりとした気持ちになります。相手の戦意を喪失させる意味があるのかもしれまん(ないとは思いますが…)。里山は人の手入れが適度にされた自然という印象です。自然都合で人が暮らしているというのを感じるので、心地がいいのかもしれません。養老先生も里山の適度な手入れが子育てにもつながるということを繰り返し言っておられます。相手をコントロールしようとするのではなく、相手の様子から自分の行動を決めるということは子どもと関わる上でも大切なことですね。

  3. 「ホトケノザ」や「オオイヌノフグリ」という単語は知っていても、実際に見た物とその名前が一致するかというと、自信がないのが正直なところです。私が、初めてその名を聞いたのは、絵本「森のイスくん」に出てくるイスくんが、草や花や雲の名前をつぶやいているシーンでした。草木から、次の季節の予感がわかれば、来る季節をより心待ちにできますね。また、普段目に止まっていながら、追求してこなかったものの中にこそ、多くの学びが詰まっていると自分に言い聞かせながら、草木を探す楽しみを感じてみたいです。

  4. さてはて、今回のブログで紹介された「園の裏の里山」、8年経った今でも残っているのでしょうか?何とも懐かしい風景を掲載の写真から見て取ることができます。緑の帽子の子どもたちにも親近感を感じますね。写真の紅梅はまた見事ですね。梅の花の香りが漂ってきそうです。8年後の今日も吹く風は冷たかったですね。午後3時頃は雪降りでした。例年の今頃は春の近しを感じる頃なのですが、今年は冬がまだ居座っている感じです。さて、当ブログの特徴は時々植物のことを取り上げて頂けることです。当ブログのおかげで多少なりとも草花に通じるようになったかなと思います。馬酔木の写真はこれまた見事です。馬を酔わせる木足馬酔木、伊藤左千夫、忘れていた固有名詞たちです。馬酔木は雑誌の名前にもなるほどポピュラーだったのですね。そして伊藤左千夫といえば『野菊の墓』。なんとも切なくなる小説です。民子と政夫の物語。これまた懐かしいものを思い出しました。

  5. イヌノフグリ、出ました。今日のブログも男の不倫ということで何だか不思議な関連を感じてしまいます。
    やっぱり学んでいると面白いと思えるのは、こういった偶然の結び付きであったり、着想であったりと出会えるからです。3月まで仕事の量にかまけて疎かにしていたことを一つ一つやってきたいと思って取り掛かるともういろいろ楽しい出会いがあります。こういう日々の中にいつまでもいたいと感じます。

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