たんす

 昨日から全国で公開されている映画に「ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女」があります。この映画は、宣伝も、かなり前から盛んにしていました。私は、まだこの映画は見ていませんが、本では、かなり昔に読んだことがあります。まだ、ハードカバーの大きな装丁の本で、面白くて、出版される順に、全7巻まで読んだ気がします。この話は、イギリスの作家であるC・S・ルイスによるファンタジー児童文学です。英語ではThe Chronicles of Narniaといい、日本語に直訳すれば、「ナルニア国年代記」となります。ナルニア国の誕生から滅亡までを描く全7作のシリーズです。C・S・ルイスは、宗教者としての書籍を多く書いており、この作品も聖書の物語を下敷きにして書かれています。このように、彼は、ファンタジー作家だけでなく、神学者であり、古典文献学者ですが、実は、子供時代、兄と想像の国を作りその物語を書いて遊んでいました。しかし、学校嫌いのために、ある学者の個人授業をうけて、オックスフォード大学に進学して、古典語の最優秀になりました。今回映画上映されている「ライオンと魔女」は、7部作のうち、最初に執筆された作品です。原題は”The Lion, the Witch and the Wardrobe”といい、直訳すれば「ライオンと魔女と衣装箪笥」といいます。というのは、4人兄弟が、古い屋敷の空き部屋にあった衣装ダンスから別世界の国ナルニアに引き込まれるからです。そして、不思議なライオンに導かれてナルニアを支配する白い魔女から住人たちを解放しようと奮闘します。
 同じように、五月三十五日に、洋服ダンスの中から出てきたローラースケートをはいた馬に乗って、たんすの入り口から、「南洋」についての作文を書くため、おじさんといっしょに、旅に出る話が、「スケートをはいた馬」です。原題は、「5月35日」といいますが、それがわからずに、子どもの頃に読んで、面白い思い出があったために、もう一度読みたいと思っても探せませんでした。この話は、私が大好きなドイツの偉大な作家ケストナーが書いたものです。彼は、実の父がユダヤ人だったためもあり、ナチス・ドイツが政権を取ると、政府によって執筆を禁じられましたが、「自分はドイツ人である」という誇りから、亡命を拒み続けて偽名で脚本などを書き続けています。彼の作品は、映画になったものが多くあります。最近では、私も見ましたが、「点子ちゃんとアントン」や「飛ぶ教室」があります。しかし、私の一番好きな作品は、「エミールと探偵たち」です。たぶん、小学校低学年の頃だったと思いますが、その映画を見に連れて行ってもらいました。話しは、お母さんと二人で暮らすエミールが、ベルリンのおばさんの所へお金を届けに出かける途中、汽車の中でうっかり居眠りしたら、山高帽の男に大切なお金を盗まれてしまいました。そこで、ベルリンのこどもたちと協力して男を追い詰め、最後に捕まえる話です。本書は、ケストナーにとって初めての小説です。映画の後、すぐに本を買って、夢中になって、何度も読んだ記憶があります。そして、私が小学生の頃は、みんな髪の毛が「坊ちゃん刈り」という髪型(映画3丁目の夕日に出てくるような)でしたが、私は、エミールの髪型のように、横分けにしました。(今、考えるとおかしいですが、髪がすぐに前に落ちてきてしまうので、ピンで留めていました。)もしかしたら、今の髪型も、そのときから変わっていないかもしれません。あの、わくわく感も、今でも求めています。

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