自然保全

多摩ニュータウンには、さまざまな自然保全型の公園が残されています。この辺りは多摩ニュータウンとして開発が進み、今では近代的な住宅地へと姿を変えているが、かつては多摩丘陵の直中に位置する山間の農村だった。いわゆる里山が広がっていました。そこには、狸がすみ、さまざまな自然にあふれていました。それを少しでも残そうと公園を作ったのです。その一つが、園のそばにある「長池公園」です。ここは、その当時から残る農業用水の溜め池とその周辺の里山の自然を残して整備したもので、里山文化の継承と住民コミュニティの形成が公園のテーマです。そのテーマの実現のために、園内に「長池ネイチャーセンター」がおかれ、その管理運営を地元のNPO「FUSION長池」が八王子市から業務委託を受けて行っています。(このNPOは、かなり全国で先駆けて作られ、さまざまな提案をし、理事長の富永氏は、全国で講演活動などをしています。私も、その設立に少し関係しています。)長池ネイチャーセンターの設計者は、野沢正光建築工房(「いわむらかずお絵本の丘美術館」の設計では、さまざまな賞を受賞しています。)で、建物自体にも工夫が凝らされており、その木造の外観が自然溢れる公園にマッチし、太陽熱を利用しての発電や冬場の暖房なども行われ、「自然環境との共生」がテーマです。同時に、「里山文化の継承と住民コミュニティの形成」もテーマになっています。
同様に、少しはなれたところに「小山内裏公園」という都立公園があります。(ここは、昨年、遠足で行ったところです。)ここも、指定管理者による管理を行っており、株式会社が指定を受けています。この公園は、多摩丘陵の骨格をなす主稜線上に位置し、北側は多摩川の支流太田川の源流部にあたり、現在でも湧水の湧く谷戸地形が良好な姿で保存されています。また公園の大部分は、多摩丘陵に特徴的な雑木林で覆われており、谷戸部分の湿性草地とともに良好な植生が維持され、多様な動植物が生息しています。また、民間に運営を委託しているので、さまざまなサークルが、この場所で活動をしています。バーベキューができたり、クラフト作りなどにも参加できます。   
そして、もう一つが、先日行った「小山田緑地」です。ここは、丘陵地帯の一部を公園としたもので、都立の公園として開園しています。小山田に残された多摩丘陵の自然を緑地として保全しようという目的のためのもののようで、都市型の公園とはまったく趣が異なります。「小山田の牧」と名付けられたこの広場は12世紀頃に馬の放牧が行われていた牧場の遺構だそうです。
 これら、かつての自然を残そうとする試みではありますが、実際は、かなり自然は壊されています。その様子は、ここを舞台にしたスタジオジブリ制作の劇場アニメ作品「平成狸合戦ぽんぽこ」に描かれています。開発が進む多摩ニュータウンを舞台に、狸が人間に対し抵抗を試みる様子を描く作品で、最後には、人間に敗れた狸が、ひっそりと昼間は人間の姿になって生きていくという話です。そのアニメにも映っている住都公団(当時)で建設された近代的な建物が、いま、構造のずさんさで、倒壊の危機があり、すべて修復工事やら、建て直しやらで大変な騒ぎです。映画には、本当は続きがあって、もしかしたら、戦いに勝ったのは、狸のほうだったような気がします。