人形

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 今日、飯田市の講演会場に着いたときに、保育者たちによる人形劇が上演されていました。しかし、そのせりふの中に、時たま意味のよくわからない言葉が挟まります。なぜか聞いてみると、この間、韓国に行って上演したので、たまに韓国語が入っていると言います。そういえば、ここ飯田市は、人形劇で有名です。飯田市を中心とする伊那谷は、黒田人形、今田人形、早稲田人形、古田人形に代表される人形浄瑠璃や,田楽,猿楽などの古式神楽の面影を残す多くの伝統民族芸能が保存されている地域です。黒田人形は、300年の歴史を持つ伝統人形浄瑠璃です。毎年4月、下黒田諏訪神社の春祭りで奉納上演されます。今田人形も、やはり300年の歴史を持つ伝統人形浄瑠璃です。毎年10月、大宮八幡宮祭典で奉納上演されます。天保11年(1840年)に黒田人形舞台が建てられたそうです。それが今は、国指定重要有形民俗文化財となっています。そんなことがあって、1978年に、各地の人形劇人が飯田に集まり、全国的な人形劇の祭典が企画されました。そして、その翌年の国際児童年の年、第1回の「人形劇カーニバル飯田」が開催され,以後毎年8月の初めに開催され続けてきました。その名称も「いいだ人形劇フェスタ」と代わり、夏の風物詩として世界中から人形劇人が集まる一大イベントになっています。このイベントは、様々な賞をもらっています。地域づくりとしても、平成6年には、第1回優秀観光地づくり賞を取っていますし、平成14年には、第6回ふるさとイベント大賞優秀賞を受賞しています。
 日本では、浄瑠璃はじめ人形劇では伝統がある国なのに、あまり園では人形劇はやりません。ペープサートという紙に書いた絵に棒をつけて動かすものはやりますが、手遣い人形といわれるようなパペットはやりませんね。最近テレビで、「パペットマペット」が、人気がありますが。その点、外国は人形劇が盛んです。棒人形、手遣い人形、棒遣い人形、糸操り人形、抱え遣い人形、仮面人形等いろいろな種類があります。先日行ったドイツでも、園で自由時間の間に、あるコーナーでは、人形劇をやって見せていましたし、棚の上には、人形がおいてあります。おもちゃ屋にもたくさんの人形や、舞台が並んでいます。私も、昨年、園へのお土産に人形劇の舞台(布でできていて、つるして使います)を買いました。ドイツのある園で、本の読み聞かせを見たときです。まず、保育者が、読み聞かせる本を布に包んで、子どもの前に持ってきました。それは、持ってくる途中に何の本かわからないようにするためです。その包みをもって子どもの前のいすに座ります。すると、保育者は、ほうきと、魔女の人形を持って、子どもの前に置きました。何が始まるのだろうかと、子どもたちは真剣なまなざしで保育者を見つめています。その中で、保育者は、おもむろに布の包みを広げます。中から出てきたのは、ほうきに乗った魔女の絵本でした。そして、静かに読み始めたのです。人形を置くことで、本の話に実感が持てます。保育の中でも、人形を演出によく使います。また、あるときは、部屋を暗くして、ろうそくの光の中での読み聞かせを見たこともあります。日本での本の読み聞かせは、なんだか寝る前とか、時間の間にする儀式のようなものの気がします。もう少し、演出を考えるとか、いろいろな工夫をするとかしないと、本があまり好きでない子に、本の面白さを伝えることはできないかもしれません。

人形” への5件のコメント

  1. 人形というとそれを使った子どもたちの遊びくらいしか思いつかなかったのですが、絵本を読む際にそれに関連する人形を目の前に置く方法は、それを知ったときちょっと感動したのを覚えています。こんなものだと先入観で人形やその使い方について捉えていたのを反省しましたし、このような演出は他の場面でも有効なことなんだろうとあれこれ考えさせられました。

  2. 数年前、クラスのリーダーをやる週の前には、近隣の図書館に行って5、6冊くらい絵本を借りて子どもたちに読み聞かせをしていました。しかし、ただ毎日同じ時間に習慣的に絵本を読んでいるから読むとしてしか思っていなかったのかもしれません。そこには、大切にしなくてはならない「本の面白さを伝えるため」という考えはありませんでした。もう一度、絵本を読む意味、習慣的にやる意味、様々な意味を考えなくてはいけません。

  3. 演出を考え、本の面白さを伝える工夫を読み聞かせなどの際にしていただろうかと自分を振り返ってみますと、できていなかったなと思います。人形や具体的な道具を使ったりする演出も、ぐっと内容の中に入れそうですし、イメージも膨らみ、何よりドキドキして、楽しそうです。子ども達が好きな「よいしょ」という絵本があります。そこには様々な働く車が登場し、「よいしょ」のかけ声で、土や荷物を持ち上げたりします。先日、作業をしているショベルカー見ながら、子どもたちが「よいしょ!」と両手をあげて、声を出していました。そんなことを思い出し、もっと意図を持って子どもたちと関わらないといけないなと思ったと同時に、それができていくともっと楽しくなるだろうなと思いました。

  4. 人形を用いた劇はおそらく全世界的な人類の文化なのかもしれません。東南アジアや南アジアでは影絵人形の劇が盛んです。中でも人気があるのは、おそらくインドの古代叙事詩ラーマーヤナやマハーバーラタからのお話でしょう。ところで、園では最近ペープサートや指人形劇、子どもたちがやっていますかね。今度確認してみよと思います。ドイツの絵本の読み聞かせの時に、人形を用いて演出するとおそらく、絵本という二次元世界から子どもたちを三次元のおとぎ話の世界に誘う効果を十分に発揮するのでしょう。これは私たちの園でもやってほしいものです。今後を期待しましょう。私はまだ本物の人形浄瑠璃を観たことがないのですが、想像すると、とても感動するような気がします。小学生の時分、NHKテレビで人形劇の番組をよく観ていました。人形とはいえ、その物語の世界に私自身をどんどん引き連れて行ってくれました。何だか懐かしいですね。長野県飯田市の「人形劇カーニバル飯田」、今でも続いているのでしょうか?続いていれば、もう36年。第1回目を楽しんだ方々はもう40代50代ですね。良き地元の地域文化として定着していることでしょう。

  5. 本の面白さ、その導入の大切さを学びます。どのような切り口で展開させていくのか、保育の楽しさの一つですね。人形劇や紙芝居など、保育者から子どもたちへ、また、子ども同士で楽しむ姿というのは見ていてとても微笑ましいものです。そのような姿、子ども同士がそのようにして遊べる雰囲気づくり、環境について考えていきたいと思います。

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