こくごとさんすう

 今、成田空港にいます。これから、ドイツの園訪問に行くためです。それに先立って、ドイツ在住の日本人で、ドイツ人と結婚された方から、こんなメールが来ました。
「現場の保育士からの要請が多い、「はじめてのこくご、さんすうシリーズ」一部もっていたのですが、友人に貸したら戻ってこないので、もし荷物にならなければいただけますでしょうか。
ドイツ語に訳すことを真剣に考えています。複数の方から声をかけられたので。」
 たまたま、何年か前にドイツから私の園に研修に来た際に、その本を買って帰った方がいました。日本でも、ピサの学力調査で順位が下がったことが問題になっていますが、ドイツでも、前回の結果で、最低だったので、幼児教育を含めて、見直しがされています。その中で、いわゆる「読み、書き、算盤」と昔から言われてきたように、言語教育と、数の理解をどのように付けていくかが課題になっています。私は、小学校に勤務をしていて、就学前教育をきちんとしないと、学校に入ってからだと絶対に間に合わないと思っています。しかし、今の幼児教育の中で多くの園で行われているものは、「就学後教育」の先取りが多いような気がします。中教審が先ほど出した答申の中でもこんな注意がされています。「受験などを念頭に置き、もっぱら知識のみを獲得することを先取りするような、いわゆる早期教育とは、本質的に異なる。」といっています。必要なのは、就学前教育なのです。これは、学校教育の先取りではなく、学校教育が始まったときに、それがより効果的に、より広く考えられるようなものでなければなりません。いわゆる、同じく中教審の答申の中で謳われている「後伸(あとの)びする力」を培うことです。特に、国語力と、算数です。
自宅で小中学生に英語を教えている妻から、以前にこんなメールが来ました。
「新聞の「ライブドア事件を語る」(藤原正彦氏)の文章の一部に興味を持ったので、早速「国家の品格」を読んでみました。全体的にみるとあまりにもハードで首をかしげる部分もありますが、納得し賛同できる部分がありました。教育問題を論じる部分で氏は「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数。国語を通して自ら本に手を伸ばす子に育てる」と言っています。大人になって様々な局面に際しての判断を下して進むときも、人とうまくコミュニケーションをとって穏やかに暮らしていくためにも、どんな時にも必要な知恵や教養は国語力なくしては培っていけないというような考え方には共感をおぼえます。毎年、今頃中学2年生の生徒に同じことを言われます。「英語って国語力がないと出来ないね」と。中二の終わりころになるとかなり文法も高度になり難しい文章が出てきます。そうなると文法理解が出来ていても、単語や熟語の知識が増えても、国語力がないと訳せなくなってくるのです。国語は人生を豊かに生きるための基礎だけでなく、他の科目の基礎でもあると実感しています。真の国際人になりたいならば「まず国語」だと思います。また、物を筋立てて考えるための基礎は「算数」でしょう。
 そこで考えたのですが、貴方の著書の「こくごのはじまり・さんすうのはじまり」が、その導入のお手伝いになれば嬉しいなと。あれは出版した時期が少し早かったのかもしれませんが、小学一年生で習う内容を体験で学んでいけるように写真がついているので、少なくも楽しみながら接することはできると思います。何かの折にお知らせしたらいかがでしょうか。」
 ちょうど、ドイツからのメールと時を同じくしていたので、小学校で英語を導入する前に、きちんとした国語教育が必要であり、物事を論理的に考える上でも、算数教育が必要であることを再確認しました。また、2月9日付の中教審部会報告案でも同様なことが提案されていました。もし、興味があれば、「はじまりシリーズ」を読んでみてください。(ただ、残念ながら、書店では販売していません。学習研究社(学研)に問い合わせてみてください。)
さんすうのはじまり・こくごのはじまり ~保育者のためのはじまりシリーズから(藤森平司著)
(〒146-8502 東京都大田区仲池上1-17-15 株式会社 学習研究社 教育ソリューション事業部 通信販売室 電話:03-3726-8711  FAX:03-3752-6404  e-mail:order@hoikucan.jp)
 明日から1週間の予定でのドイツ訪問ですので、ホテルのIT環境によっては、このブログはお休みになります。もしできれば、少しだけでもドイツ報告をします。

こくごとさんすう” への1件のコメント

  1. 藤森先生の御著作といえば、「見守る保育」や「21世紀型保育のススメ」が有名ですが、「さんすうのはじまり・こくごのはじまり」も味わい深い本ですね。もう一度読み直してみます。
    いま、行われている「早期教育」なるものが、「就学後教育」の
    先取りに過ぎないというお話には同感です。ドイツ報告、楽しみにしています。

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