台北より

 今日の見学は、面白いところから来ました。「臺北市立教育大學兒童發展研究所」というところからです。中華民国の台湾にある台北市立教育大学の児童発展研究所です。依頼書が、中国語で来ましたが、改めて、日本と中国の関係をかんじます。なぜかというと、漢字で書かれている依頼書は、まったく中国語がわからない私でもほぼ理解できたからです。訪問趣旨もこのように書かれています。「為促進臺灣與日本幼兒教育之國際學術交流及了解日本幼兒教育的制度及教學實施方式,由本所林佩蓉教授、陳銀螢教授領隊前往貴園參觀與訪問,敬請 惠允,並予指導,謹致謝忱。」なんとなくわかりますね。見学者は、総勢48名(依頼書には、45名)でした。依頼書には、「參觀人數:45位(大學教授4位、碩士班研究生20位、大學部學生11位、幼教老師7位、小朋友3位)」とあります。このメンバーの中で、男性は、1名でした。やはり、幼児教育は、女性のものなのでしょうか。何を見ていくのかというと、「參觀重點:(1)教學理念 (2)園舍與教室環境規劃 (3)教學?容與方式」です。午前中だけの、ほんの短い時間でしたが、終わってからの質問タイムで、感心したことがあります。まず、質問する前に、見学をした感想を言ってくれます。ただ聞くのではなく、きちんと、こちらにも何かを返してくれようとします。それから、返事なり、取り組みで感心すると、みんなで手をたたいて、褒め称えます。(ただ、これには、少し、閉口しました。話すたびに拍手をされても、照れるだけで、どう反応してよいかわからない場面が多かったからです。)もう一つ、代表の教授が、質問を確認しあって、途中で質問して答えてもらったことは、あとでお互いに交換すればよいということで、答えが重複しないようにしてから質問したことです。もちろん、私のほうは、質問が重複しても、丁寧に対応をするのですが、時間を有効的に使おうという思いが伝わります。そして、質問を始める前に、子どもの様子、園を見た感想を取りまとめて、教授が伝えてくれました。「感心したことが、主に3点ありました。一つ目は、子どもが自主的に行動していたこと。1,2歳児でも、自分がやれることは、きちんと自分でやり、先生は、それを温かく見守っていたこと。二つ目は、非常に子どもたちの情緒が安定していたこと。見学者が多いにもかかわらず、それに乱されることなく、子どもたちがとても落ち着いていたこと。三つ目は、地域に対しても、保護者に対しても、きちんとコミュニケーションをとっていること。環境の工夫が、地域にとっても、保護者にとっても、とても優しさをかんじ、コミュニティー形成にとても貢献していること。」こんなに見学時間が短いのに、的確に私たちが伝えたい保育を捉えている感じでした。見学者の質の高さを感じました。大勢の人数のために、しかも通訳が一人しかいないために、見学は自由に見てもらい、あまり説明はしなかったのですが、すごいですね。通訳の人(彼女は、上海の人と言っていました)は、事前に私の本を読んできたということですので、もしかしたら、事前に研修したのかもしれません。それに比べて、観光バス会社の人は、前日に、突然、駐車できるのかとか、途中で、どう行けばいいのかとか、どこを曲がるのかと、問い合わせてきました。きちんと、事前に調べないのでしょうか。案の定、予定の1時間近く遅れて到着しました。ただ、帰りに、競って、私といっしょに写真をとりたがった見学者の姿は、いかにも女子大生といった感じでした。