文化の伝承

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明日は、節分です。園でも、節分の行事を行います。行事の一つの目的に、「地域の文化を伝承する」というものがあります。では、地域の文化というものは、何でしょうか。また、何で、伝承しなければならないのでしょうか。1989 年に行われた第25 回ユネスコ総会で「伝統的文化及び民間伝承の保護に関する勧告」というものが採択されました。そこでは、民間伝承は「人類の普遍的遺産の一部を形成するものであり、また、それは異なる民族及び社会集団を結び付け、かつ、その文化的独自性を主張するための有力な手段である」といっています。そして、これを維持するために、しばしばマス・メディアによりもたらされる産業文化の影響によりむしばまれるという事を危惧しています。また、農山漁村の文化のみならず、様々な社会団体、職業及び機関等により都市部で創り出された文化についても考慮に入れて、そうすることで、文化的多様性及び異なる世界観についてのよりよい理解を促すことができるとあります。学校及び学校外での教育活動にそれらを導入することも謳われています。このように、文化を伝承していくことは、多様性の世界観の中で、さまざまな社会集団を結びつけ、よりよい新しい時代を作っていくために、過去の知恵から学んでいくというものである気がします。私の園は、ニュータウンの中にあります。新しくできた街で、かつて、そこには、特に村や、部落があったわけではなく、狸が主な住人だったところです。(ジブリの映画「平成狸合戦ぽんぽこ」の舞台になっているところです)しかし、その狸と共生をしながら、里山がありました。そして、この地の文化を、マス・メディアではなく、人間の開発という力で破壊をしてきた場所です。私が育ったところは、近くに鳥越神社があり、「節分」の行事は、とても盛大なものでした。近くの相撲部屋から力士が来たり、さまざまな芸能人や地域の名士、年男たちが、その日のために造られた舞台の上から豆をまきます。それを、子どものころ必死に拾いに行きました。なぜなら、撒くものは、豆だけでなく、あまり覚えていませんが、いろいろなおもちゃやお菓子、何かの引換券などがあった気がします。そんな地域でしたから、各家庭でも、夜、「鬼は外、福は内」という声が聞こえてきたものでした。(最近聞かれなくなりました)たまたま、昨年、偶然にも節分の日にその神社のあたりを通ったので、覗いてみました。とても懐かしかったです。新しい町ニュータウンにある園としては、子どもたちに日本の文化を伝承していくことが必要です。そこで、まず、鰯の頭を焼いて、ヒイラギの枝に刺し、家の入り口に差します。これは鰯の頭の悪臭で、邪気が家に入るのを防ぐという意味があります。季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うためです。「邪気」も悪臭は苦手と見えます。そして、炒った大豆を撒くのですが、それは、鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがあるからです。その際の掛け声は、通常「鬼は外、福は内」ですが、地域や神社によっては、鬼を祭神または神の使いとしている神社、また方避けの寺社では「鬼は外」ではなく「内」としているそうです。また、家庭での豆まきでは、「鬼」の付く姓(鬼塚、鬼頭など)の家では「鬼は内」の掛け声が多いといいますが、私の知り合いにもこの苗字の人がいるので、本当か、聞いてみたいものです。そのあと、自分の歳の数だけ豆を食べます。(園では、揚げ大豆の甘辛煮として出します)最近、はやっている、どこかを向いて巻物を食べるなどは、したことがありませんでした。伝承も、ある意図が感じられることがありますね。