正月の遊び

 子どもにとっての楽しみなお正月になりました。昔から、子どもたちはいろいろなお正月の遊びをしました。このいわれには、それぞれあります。たとえば、お正月に魔除け、厄被いの意味で羽子板を飾ったり、女の子の初正月に羽子板を贈っていました。この羽子板がお正月の遊戯や贈り物に用いられたのは室町時代で、同時に羽根突きが始まりました。このようにお正月の遊びには、歴史的な意味がありますが、私なりにお正月の遊びの意味を解説してみます。(まったくの、個人的見解です)
 まず、たこあげです。子どもは、しっかりと歩けるようになり、走ることができるようになるまでは、一人遊びが中心です。しかし、農耕民族である日本人は、村の人と協力しないと生きていくのは難しいので、少しずつ社会性を養わなければなりません。しっかりと走ることができるようになった頃、たこあげをしようとします。しかし、凧は、持ち手がいないと揚げることはできません。そこで、二人で協力することを学びます。もっと高く上げようとすると、凧のそりや尻尾の長さを工夫しないとなりません。農耕には、工夫が要ります。それに比べて、狩猟民族では、他人との協力よりも、早く走るというような自分の力が必要です。そこで、ゲイラカイトという凧は、一人でも揚げることができますし、高く上げるためには、工夫よりも早く走ることが必要です。つぎは、かるたについてです。文字を覚え始めたとき、日本語は、一音に一文字当てはめます。そのために、言葉を音節に分解することが必要になります。かるたは、言葉や文の頭音(最初の音節)が、絵札の端に書いてあります。しりとりは、相手の最後の音節を、最初に着いた言葉を言う遊びです。どちらも、文字を書いたり、読んだりするときの基本の音節分解の練習です。そして、読む文章は、教訓ものが多く、繰り返すことで、覚えていきます。すごろくは、次のような役割があります。全体の進行は、出世物語とか、人生を学べるようになっています。そして、さいころは、ほとんど「ドット」(黒い●)の数で数の量を表わしています。それを1対1対応で数えて、こまを進めていきます。最近のさいころは、ドットだけでなく、数字や漢数字のものや、6までだけでなく、4まで、8まで、10まで、20までのものもあります。ままごとは、子どもは周りの人の行動に興味を示し、模倣することによって、物事の間の共通性を見い出したり、概念化することを学び、また、象徴機能や観察力も増し、家事の所作を学ぶようになっています。はねつきは、全身のバランスをとる能力が発達し、体の部分を自分の意のままに使えるようになり、体の動きが巧みになることによって、各機能間の分化・統合が進み、目と腕の共用のように、異なる2種以上の行動を同時にとるようにもなります。
 このように、今、科学的に検証しても、昔からの子どもの遊びには、成長のための意味があるのです。しかし、今の遊びのテレビゲームなどは、人に対して暴力を振るったり、死んでもリセットして生き返るなど、命の意味を混乱させるものが多くあります。また、早く手を動かすことで、敏捷性が養われると思っていたことが、そんなことはなく、かえって、前頭葉という脳を破壊しているだけであることも実証されています。今の子どもの遊びは、成長のための学習ではなく、享楽的な、大人の遊びに近い役目しかもっていないものが多いですね。昔からの子どもの遊びの科学的な意味を、今は、親に伝えることが必要かもしれませんね。