経済館

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 何かイベントをやるときには、多くの集客を目指します。そのためにいろいろな企画を立てます。私は、このような企画を立てることがとても好きです。それは、来る人が楽しむ企画は、立てる側にとっても楽しいものでなければならないからです。また、来客者が、ただ楽しいだけでなく、楽しんでいるうちに、来客者に知らず知らずのうちに、こちらの伝えたいことが伝わっていかなければなりません。
私が30代の頃から、八王子市で仲間の若手男性園長たちと、毎年12月に、駅ビルで「乳幼児の世界展」というイベントを開催していました。そのイベントを通して、「市民に子どものことを理解してもらおう!」「保育園は、そんなことに取り組んでいるのだ。」ということを訴えようとしたものです。ある年、子どもを理解してもらおうと、こんなことをしました。まず、子どもは、よく、持ったコップを落として親に叱られます。そこで、子どもは、どんなコップを、どんな感覚で持っているのか体験してもらいます。まず、子どもと大人の手のひらの面積を比較して見ると、ほぼ子どもは半分です。また、背筋力を測ってみるとこれもほぼ半分です。また、指を伸ばして届く距離を測っても半分です。そこで、直径が、普通のコップの倍ある入れ物に、コップにいっぱいに水を入れた重さの倍の重さのものを入れて持ち上げてみてもらいます。思わず、落としそうになります。また、大人の雑巾の倍の厚さで、大きさも倍のものをタオル地で作り、これを絞ってもらいます。しっかりと絞れません。また、子どもの視野の広さのめがねをかけてもらい歩いてみると、車が近づくまで、横から来る車に気がつきません。そんなものを部屋いっぱいに並べて、子ども体験をしてもらいました。テーマは、「子ども探検ツアー募集中」です。
25日の日曜日に、東京タワーフットタウンに行ってきました。ここに、11月から「感 どうする経済館」がオープンしています。ここでは、日本経済の今、日本経済の現状を、楽しく体験しながら勉強できるミュージアムになっています。プロデュースは作家の荒俣宏さんです。この部屋のベンチは、1万円を並べた100億円の束と同じ大きさになっています。ショックなのは、「日本経済の足音時間」というもので、「私たちが作り出している金額(GDP)」と「日本の借金」がものすごい速さで増えていきます。しかも、作り出しているスピードよりも、借金のスピードがものすごい勢いで増えていきます。別なコーナー「日本の借金リュック」では、政府債務の金額の重さを実感するアイテムで、世帯当たりの負担金額に換算した重さのリュックサックを背負ってみます。「100の1万円」では、1万円で買えるもの、1万円で行けるところ、1万円分かせぐのに必要な時間。そんなアイテムが100並んでいます。つまらなそうな経済というものを、楽しく理解してもらえるために、とてもいい企画ですね。
 いつか、全国の幼稚園、保育園で、全国いっせいに、各地で子どものことについてのイベントを行うような企画をしてみたいですね。

経済館” への5件のコメント

  1. ここに書かれている内容を、市のイベントでも活用させてもらったことがあります。ただその目的を十分に伝えることが出来なかったため、何かやってるねといった感じにしか受けとってもらえなかったように思います。単にやればいいだけでなく、目的が定まっていることや、その目的から始まってどのように運営していくか、工夫していくかに担当者が自主的に参加していることなど、うまくいくための条件はいろいろとあるなあと感じました。八王子の会で様々な取り組みをしてこられたことを聞かせてもらっていますが、なかなかそのような取り組みまでたどり着いていないのが現状です。

  2. 大人目線で様々な物事を見てしまいがちですね。子どもの時に不便だった記憶というような細かな記憶はなかなか覚えていないものですね。だからこそ、大人は子どもの気持ちや行動を考えたり、体験したりして実感していかないといけませんね。雑巾やコップ、目線は実際に体験してみたいと思いました。想像しにくいモノを具体的なイメージに変えて、実感することは保育でも意識していきたいです。どうしたら子どもに伝わるのだろうかと具体的に、分かりやすく工夫していきたいです。見ず知らずの人に用意したものを楽しんでもらうというのはドキドキします。少しだけそのような経験があるのですが、不慣れな私はずっとドキドキしていました。年代もバラバラ、興味もバラバラな相手に楽しんでもらい、また伝えたい思いを感じてもらうのは難しいですね。

  3. 子どもをしかる時には、どうしても大人の先入観や価値観が関連してしまうことが多いと感じます。その先入観や価値観の多くは、生活環境や実体験に基づいて得られたものであるならば、大人の世界に子どもの世界を再現しし、実際に体験してもらわなければ理解につながらないのですね。八王子市での実践は、体験を通した「究極の子ども理解」といってもおかしくないですよね。そして、若手男性園長先生同士で、企画についての話し合いをしている様子を想像しただけでも、楽しい雰囲気が伝わってきます。「来る人が楽しむ企画は、立てる側にとっても楽しいものでなければならない」という言葉は、大切にしたいと思います。

  4. 八王子研究会の取り組みは本当に面白いですね。藤森先生が30代の頃、そのころから「保育を科学する」ことを実践していたわけです。そして、今なおそのスタンスにぶれがないどころか、その論理性はますます明晰になっています。とかく保育界や教育界は情緒論が先行して理詰めに弱い感じがします。よって子どもの子どもらしさを理解することも何だか弱くなってきているような・・・。情緒的なことは一見優しそうで、実は物事の真実から目を遠ざけていることがままありますね。今回のブログで紹介されていた東京タワーの経済イベントの中身、これは極めて重要ですね。このブログから8年経った今日国の借金は過去最高になっています。実態を国民にこうした形で知らしめ、将来に対する見通しを考える機会を政府関係団体は提供すべきでしょうね。借金の額だけ示されても情緒が不安定になるだけです。

  5. 「来る人が楽しむ企画は、立てる側にとっても楽しいものでなければならないからです。また、来客者が、ただ楽しいだけでなく、楽しんでいるうちに、来客者に知らず知らずのうちに、こちらの伝えたいことが伝わっていかなければなりません。」至言ですね。成長展について学ぶ日々の中で、先生の意図を肌で感じるような瞬間に度々出くわします。その瞬間が今何とも言えず幸せです。行事の根底にいつもこのような先生の思いという根が生え渡っているのだと思うと、それだけで心強く、大安心の中で目の前の仕事に取りかかれる次第です。先生の名著『保育における「行事」』成長展の章を多くの人と共有したいと思っていますが、そこにも書かれていない先生のこのような言葉、思いは過去のブログを読むことで学んでいきたいと思います。

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