2005年12月17日 [由来]
南天
先日、鎌倉に行ったときに「瑞泉寺」を訪ねました。紅葉がきれいということだったのですが、庭の真ん中に「南天」の真っ赤な実がたわわになっていました。この実は、鳥の大好物なので、食べられなければ、冬まで残っています。「南天」というと、真っ赤な真ん丸い実であるので、雪ウサギの目によく使います。また、赤飯に入れたり、赤飯の掛け紙には南天が描かれています。これには、こんな意味があるようです。古来より、「難を転じて福を招く」(「難転」あるいは「成天」に通じる)と言われ、縁起良い植物として、祝い事や除災の祈念に用いられてきました。その昔は武士の出陣に臨んで一枝を鎧の内に挿し武運長久を祈りました。また、元服の式に挿花したり、安産のお守りにしました。南天の葉は諸毒を消すと言われ、赤飯に添えます。ちなみに、赤飯に小豆を用いるのは、小豆に薬効があるからともいわれ、身体によいものと評価されているからです。また赤い色は邪気をはらい厄除けの力をもつと信じられ、祝い事や特別の行事に使われています。慶事に赤飯を用いるようになったのは江戸後期からといわれています。また、南天は不浄を清めるということで,お手洗いの外に植えてあったりします。また,南天の箸というのも食あたりを防ぎ,長寿を祈願するということで好まれるようです。また、防火・厄除けとして庭先や鬼門にも植えられます。京都の金閣寺の床柱は、南天の材を使っていることで知られています。福寿草の花と南天の実とセットで縁起物の飾り付けとして、正月用の生け花にされることがあります。実を乾燥させたものには「せき」止めの効き目があります。「南天のど飴」というのがありますね。また、葉には「ナンジニン」という成分を含み、殺菌効果があります。また葉の煎液が目薬としても使われています。このように、南天は昔から、生活と深いつながりがあります。
南天と同じような赤い実のなるもので、お正月の飾りによく使われるものに、「千両」(仙蓼)、「万両」という縁起の良い植物があります。区別としては、「南天」の実は上方に飛び出していますが、「万両」は葉の下側に実があります。そして、「千両」は、葉の上に実があります。
「千両」は、切り花のほうがよく出回ります。花屋は毎年市場で、千両市というので買い求めます。赤い実が大変きれいで、おめでたいのでお正月しかでてきません。「万両」は、小低木なので1m位までしか伸びません。真っ赤な実がとても冬にはきれいなのは同じで、鉢植えでもでまわります。そのほかにも、「十両」「一両」もあるそうです。
科学が進んで、様々な研究がされると、新しい知恵が生まれるというより、昔からの知恵が、科学的にも証明されるということが多い気がします。これは、生活の知恵のなかに多くあります。また、子どもの伝承遊びのなかにも、そんな昔からの知恵が多い気がします。生活や子どもの遊びは、知識でするものでないからでしょう。しかし、最近は、生活の知恵や、子どもの遊びを、知識として押し付けようとしたり、知識として覚えようとすることが多い気がします。もう一度、知恵としての伝承をしていかなければならないと思います。
投稿者 fujimori : 2005年12月17日 21:09