東京の人

仲見世.JPG
 今日は、都内に出る用があったので、ついでに浅草に買い物に行きました。目指す店は、仲見世の終わりのほう、浅草寺近くの路地にある店です。仲見世は日本で最も古い商店街の一つです。徳川家康が江戸幕府を開いてから、江戸の人口が増え、浅草寺への参拝客も多くなってきたので、浅草寺境内の掃除の賦役を課せられていた近くの人々に対し、境内や参道上に出店営業の特権が与えられました。これが仲見世の始まりで、元禄、享保の頃といわれています。雷門から浅草寺にいたる仲見世は、江戸時代には、次第に店も増え日本でも一番形の整った門前町へ発展していきました。しかし、明治維新で、寺社の所領が政府に没収され、浅草寺の境内も東京府の管轄となり、明治18年に東京府(今の東京都)が当時仲見世で商いをしていた全商店を取り払い、煉瓦作りの近代仲見世を完成させました。当時の仲見世は美しい煉瓦作りで、この煉瓦は当時の各刑務所の罪人の手によってによって制作されたそうです。その赤レンガの「印」によってどこの刑務所で制作されたかがわかるそうです。今日行った仲見世の上のほうには、冬の夜空の三日月がさむざむとかかっていました。下町には、ああ、もうすぐ年末だなあ、そして、そのあとに正月が来るんだなあという実感が沸いてくる情緒があります。
 私の幼稚園在園のころから、高校を卒業するまでの間の生活圏は、下町でした。家から歩いて浅草まで15分くらいでしたし、上野まで20分、銀座まで30分という、バリバリの『江戸っ子』です。地方の人は、「東京」というと、どのあたりを思い浮かべるのでしょうか。新宿歌舞伎町あたりか、原宿か、渋谷でしょうか。また、「東京の人」というと、どのようなタイプを思い浮かべるのでしょうか。よく、東京は、隣に誰が住んでいるかわからないくらい、隣近所とは疎遠で、人のことは気にしない、コミュニティーが欠如している町というイメージがあるようです。しかし、私が住んでいた町は、隣の家のその日の夕食が何かわかるほど接近していましたし、会話も、よく「今日の夕飯、何にする?」などでした。先ほど亡くなった江戸文化に詳しい「杉浦日名子」さんが、こんなことを書いていました。「『頼まれたら、いやと言わぬ 江戸っ子気質』とよくいうのは、江戸の町並みは密集しており、隣と接近しているために、プライバシーをお互いが意識して守っていた。そのために、頼まれたら「いや」とは言わないが、頼まれなければ、人のことには介入しないという、節度ある付き合い方をしていたことが表れている言葉です。」私からすると、今の時代に求められているコミュニティーのあり方のような気がします。また、最近は、町会に加入しない世帯が増えてきたのに反し、あの六本木ヒルズの住人は、100%の加入だそうです。人はいろいろな刷り込みを持って判断します。そのひとつが年齢であるという話を、以前のブログで書きましたが、地域に対する刷り込みもあるようです。「東京」というと、あるイメージを持ちます。私は、東京生まれで、東京育ちだからというわけではありませんが、地方の人が持つ東京のイメージは、私からすると東京ではない気がします。新宿歌舞伎町や、原宿のお店などは、東京の人はめったに行かず、地方の人のほうが行くように思いますし、人と触れ合ったり、付き合うことを嫌がるニュータウンの住人たちの多くは、地方出身の人のほうが多い気がします。

東京の人” への1件のコメント

  1. 私は正真正銘の地方出身者ですが、東京の下町出身の人と夫婦になり、東京の人たち(夫の家族)と家族になりました。浅草まで歩いてもいけるところに住んでました。11月になると木枯らしのふく夜道を、お酉さままでみんなで歩いて行き、今年は三の酉まであるから火事が多いかもしれないとか、もうお酉さまだから大分寒くなってきた、とかその時々の下町の風情がとても好きでした。そしてとても季節感がありました。藤森先生のブログを読んでいてあの町を歩いている独特の感じを思い出しました。私にとっての東京は、浅草、亀戸、鶯谷、日暮里、谷中、周辺です。 「こちら亀有公園前派出所」の両さんが暮らしている町です。この漫画には本当に下町の様子が細部まで忠実に描いてあり感心します。
    両さんお勧めの、電車がよくみえる場所として描かれている(言問団子を売ってる店の脇道から谷中霊園へ通じる陸橋)も実在していて、子供が小さい時よくスーパーひたちを見に行ったことを思い出しました。

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