西条

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 私は、ウォーキングが好きです。休みの日は、できるだけ、あちらこちらを歩き回ります。これは、運動のためということもありますが、歩き回ることが好きなのです。どこを歩き回るかというと、人によって、大きく二通りあると思います。ひとつは、山など、自然の中を歩くことです。私は、それも好きですが、もっと興味を持つのは、町の中を歩き回ることです。日曜日などは、人があまり町の中を歩いていない住宅街や、店がみんな閉まって閑散とした町の中を歩くのが好きなのです。それは、町並みが好きだからです。そこに人はいなくても、そこに住んでいる人の顔がみえます。その通りを通る人の姿が浮かびます。そこの生活が見えます。そこに実態としての人がいない分だけ、想像の中の人はたくさん生活しているのです。そして、思いがけない発見をすることがあります。小さい路地を発見したときの喜びは言いようがありません。私が高校生のころ、地域の地図を買って、そこに書かれている道をすべて歩いてみようと思ったことがありました。その道を歩いたら、赤い線を引きます。すべての道を赤くしていったのです。私にとっての道は、どこか目的地に行くための通路ではなく、生活の場なのです。たぶん、これは私が下町で育ったからでしょう。以前、路地について書いたように、子どものころから、道が遊び場であったからです。今でも、どこかに行くときでさえ、道が二つに分かれているとつい知らないほうの道を歩いてみようとします。私の子どもが小さかったころ、よく子どもに怒られました。「知っているほうの道を、通ってよ!」子ども心に知らない道は不安が多かったのでしょう。
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 もうひとつ好きな町並みがあります。それは、地方に講演に行ったときに、その町の町並みを歩くことです。そこには、いつも歩く道と同じような興味のほかに、その道から歴史を感じるからです。普段の人の顔だけでなく、昔の人の顔が見えるからです。ですから、地方に行っても、自然のなかを歩くよりも、町の中を歩き回ってしまいます。どうということもない町でさえ興味があるのですから、今日歩いたような町並みは、とても感動します。朝のうちのほんのいっときしか時間がありませんでしたが、その町並みには、明確な顔がありました。主張があるのです。今日の町は、広島の山陽道「西条」という町です。この西条の町の屋根瓦は殆ど赤褐色です。町並みはゆるくカーブしていて、ほぼ中央に桝形が設けられ、道は鍵の手状に折れ曲がっています。旧山陽道の本町通りから少し北に御茶屋(本陣)跡があり、当時の御門が復元されていました。明治以降、酒造の町 西条という呼び名で呼ばれています。あんなに、醸造所が並んでいる町はあまり見たことがありません。煙突が何本も並び、白壁の家が連なり、道端には、地域のお年寄りが水を汲みに来ている井戸があります。いい町並みです。

西条” への6件のコメント

  1. 街を歩くことの楽しさは藤森先生から教えていただきました。歩くことでそこの人々の生活を想像し、少しずつ歩いたことのある場所が増えていくことも楽しいものです。書かれている西条は1年前に歩きました。町歩きマップが用意されていて、閉まっているお店はありましたが西条の特徴を感じながら楽しんで歩くことが出来ました。町の人が自慢していたのが水です。この美味しい水があるから美味しいお酒が出来るんだと、とても誇らしげに話されているのが印象的でした。私はお酒ではなく、その水を使ったコーヒーをいただいたのですが、とても美味しかったです。

  2. 私は、出かける時には観光地というよりも、派手さはなくとも人々が生活をしている様子であったり、古いものを大切にしている趣が感じられる場所に行きたいと感じます。山梨にある古民家カフェ「くじらぐも」に出会ったときは、何とも言えない高揚感に包まれた記憶があります。と、まあ、実際は思っているだけのことが多く、あまり行動に移せていませんが…。藤森先生のように、少しの時間でも出歩きたくなる興味のように、自分の中にも大切な興味を見つけたいと思っています。見つけるというよりも、幼い頃から関心を持っていたものだったり、理由は見つからなくても「何かいいなあ」と感じられたものが、自分の求めているものであるのかもしれませんね。

  3. 今回のブログを読み終えた時に、不思議となんだか歩きたくなってしまっている自分がいました。歩くことで、ゆっくりと町並みを目で追うことができますね。何かの転換期だったのでしょうか、中学3年生の頃、休みの日によく地域を一人でぶらぶら歩いていました。歩くことで様々な不安を取り除いていたのかもしれません。歩くのとはまたペースが違いますが、私は旅行先で走るのが好きです。知らない場所を走りながら、ここに行くとどうなるのかな?と思いながら目についた道を進んでいます。走ってはいるのですが、いつもよりペースを落としてキョロキョロしながら走っています。早朝の爽やかな空気の中でのその時間は特別な時間に感じます。

  4. ブラヘイジのおかげで、歩いたこともない街をブラブラ歩く、という楽しみを教えてもらった気がします。確かに歩き回るといろいろな発見をしますね。記念碑を発見しては、その場所の歴史を考えてみたりします。最近はまじめにやっていませんが、歩いたところを地図上になぞることを私もやっています。もっともこれは鉄道を利用すると、その路線をなぞる、というところからきていますが。地域地図や路線図は私には必須アイテムです。いろいろなところに出かけては、その地域の地図を購入するか手に入れることをします。そして、どの辺をどう歩き回ったかを確かめます。先日はオランダのハーグを訪れました。あちこちを歩きましたが、確かにどこを歩いているのだろう、という不安はありますが、何だか知らないところを歩いているという楽しみを同時に味わえました。今回の紹介の「西条」は行ったことがありませんが、私がよく通る道にある飲み屋さんの表に「西条まつり」の写真が掲げられています。この地域のお祭りなのでしょうね。あとで確かめてみたいとと思います。

  5. 先日の島根研修旅行で、初めて街並みを意識して散策を行いました。情緒溢れる場所に行ったことがなかったわけではないのですが、写真を撮ったり、これはどうやってつくったのだろうなどと考えてみたり、自然の中に身を置いてゆっくり歩いてみたりと、本当の意味での散策というものを味わうことが出来たのは初めてのことでした。
    またあのような経験がしたいです。そして、そういった心持ちと言いますか、精神的なくつろぎのような心の穏やかさを身につけられるようになっていきたいと思いました。本当に楽しい思い出ばかりの研修旅行でした。

  6. 歩くことで、新しい発見や楽しみが見つかると日々が楽しくなると感じます。小さい時はよく歩いていたことを思い出します。知らない道を通り、知っている道に着いた時、得をした気分になります。しかし最近では、目的地のことばかり考えていました。グーグルマップやナビをじっと見て、なければ不安で気づいたらナビの方ばかり見ている気がします。もう少し余裕を持って、出発して前を見て街並みを感じて、新しい発見を見つけたいと思いました。

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