
今日は、市原市で講演です。市原市といえば、少し前まで、サッカーJリーグの「ジェフユナイテッド市原・千葉」のホームタウンでした。(今は、千葉市になっています。)この市原市は、関東で横浜市に次いで2番目に大きいそうですが、まだ多くの自然が残っています。駅でいうと、「五井」という駅です。以前、ここから小湊鉄道に乗って、養老渓谷に行ったことがありました。2冊の本の原稿締め切りが近づいて、どうしても間に合いそうになかったので、温泉宿に閉じこもって書こうとしたときです。(どうしても、原稿は、職場や、自宅では書くことができません。日常から離れて、神経を集中しないとだめなのです。他にも、何軒か温泉宿めぐりをしました。)市原市は、今は、海岸部は工場地帯や市街地となっていますが、東部や中部には、田園や台地の自然が昔のまま残っています。南部には、養老渓谷・奥清澄自然公園や梅ヶ瀬渓谷自然環境保全地域などを中心とする美しい自然が広がっています。ということで、海岸、河川、台地、谷津、森林、渓谷、更には田や畑などの耕作地を含め、様々な自然環境が存在しています。そうした自然のなかで、秋の花々に出会うことがあります。よく、川原などに黄色い花が多くなると、大気汚染が進んでいる証拠であり、帰化植物が多くなったことの証であると何かで読んだことがありました。では、これは、何でしょうか。「紫・白・紫・紫・黄・白・紫」なんだか紫が多いですね。これは、「秋の七草」の花の色です。「秋の七草」は、「ハギ・オバナ・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・アサガオ」です。秋の花には、どうも紫色をした花が多いようです。他にもナンバンギセル、ツリガネニンジン、マツムシソウにリンドウ、などが秋の花ですが、やはり紫の色の花ですね。ところで、秋の七草は、古くは万葉集に、「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花。萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花」(山上憶良)と詠まれました。(ただし、「尾花」はススキ、「朝貌」はヒルガオ科のアサガオ(平安時代に渡来)ではなく、キキョウであろうとされています。)「ハギ」という植物はなく、50以上の植物に「~ハギ」の名がついています。よく目につくのはミヤギノハギやツクシハギなどのようです。鎌倉には、萩の寺がありますし、都内でも、萩のトンネルがある公園に行ったことがあり、秋を感じます。また、「ススキ」は、十五夜のお月見にはかかせませんね。「クズ」は、最近は、繁殖力が強いためか、いたるところで見ることができます。しかし、古くから「くず粉」(葛粉)といって、根を食料にしたり、「葛根湯」という薬にしたり、衣料、飼料などに利用されてきました。「ナデシコ」は、日本女性の代名詞「ヤマトナデシコ(大和撫子)」として使われますね。「オミナエシ」は、やさしげなその黄色の花の風情から、よく女性になぞらえて歌われました。どうも、このあまり派手でない花の姿が日本では好まれたようで、栽培の歴史も古く、平安時代から庭に好んで植えられていたようです。「フジバカマ」は、河原などに生育し、戦前までは各地でふつうに自生していましたが、いまではあまり見られなくなりました。「キキョウ」は、秋の七草のひとつですが、本当は、6月の終わり頃から咲き始める夏の花です。キキョウも野生では減少しています。秋の七草くらい、自生できる環境を残したいものですね。