公私の幼保

 今日の来客は、社会福祉法人立保育園、学校法人立幼稚園、東京都昭島市立保育園、長野県伊那市立保育園の園長、保育者でした。いわゆる、幼稚園と保育園、私立と公立です。しかし、どこも乳幼児期の子どもを預かっている施設です。ドイツで、キンダーガーデンといわれている施設を、幼稚園(ようちえん)と訳します。(独・英:kindergarten)そして、その施設とは、「3歳から小学校就学までの幼児を保育し、年齢に相応しい適切な環境を整え、心身の発達を助長するための教育施設のことである。」と辞書に書かれています。いわゆる、日本でいう幼稚園の内容です。しかし、ドイツに行って気がつくのは、では、保育園はなんていうのかというと、日本の3歳以上児の保育園に相当する施設が見当たりません。というのは、ドイツでの保育園は、すべて3歳未満児を預かる施設だからです。逆を言えば、3歳以上児を預かる施設は、すべてキンダーガーデンというからで、そこにいる園児は、お昼で帰る子、3時に帰る子、5時に帰る子と様々です。ですから、キンダーガーデンの親は、専業主婦の場合であろうが、勤めていようが関係ありません。親がどのような生活形態を取ろうが、子どもに対する幼児教育は変わらないのです。第55回日本保育学会で、パメラ・オーバーヒューマー所長(ドイツ・バイエルン州立幼児教育研究所)が、「1997年EU各国の国際調査をもとに、それぞれの特徴の解説」をしました。そこで、「スペインやフィンランドは、6,7歳までを対象にした幼児教育保育所で、教育と養護(ケア)といった区分や年齢による区分がなく、統合された調和のある保育を目指している。スペインは、教育省、フィンランドは社会省の所管に一元化され、いずれも義務教育部門とは別になっている。ベルギーやルクセンブルグは、就学前教育専門家として位置付けられ、行政レベルが作成したカリキュラムに基づいて教育が行われている。そして、教育と養護(ケア)が分かれている。フランスやオランダは、教育と養護(ケア)が区分されている。デンマークやドイツは、幼児教育保育者のほかに、社会的保育者(ソーシャル・ベタゴーグ)がいて、学校外の保育システムがつくられている。」という講演を行いました。どの国でも、所轄官庁は、年齢で分かれているか、一元化されていて、それらの国と比較して、同じ年齢の子(3?6歳児)を違う省庁(文科省と厚労省)の管轄で行う国は、日本しかないそうです。日本は、何で、親の利用の仕方、保護者のライフスタイル、運営母体の違いで、子どもの処遇がちがっているのでしょう。国主導の「総合施設」のようなものではなく、現場から、幼保と、また、公私とそれらの区別なく、同じ子どものための保育、幼児教育の質を考えなければならない時代が来たのかもしれません。そんな思いを強くした、今日の来客でした。