夕日

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今日は、少し風邪気味ということもあって、久しぶりの邦画「ALWAYS 三丁目の夕日」を見に行きました。これは、今一番の人気の映画です。もともと1400万の発行部数を誇る、西岸良平の傑作コミックを映画化したものです。最近テレビにしても映画にしても、コミックからのものに人気があります。「ごくせん」「ドラゴン桜」などもそうですね。また、VFXを駆使して再現された昭和30年代の東京下町は、リアルに再現され、かつて、セット作りに苦心した時代から、ずいぶんと技術が進んだ感があります。
 「ALWAYS 三丁目の夕日」は、昭和33年、建設中の東京タワーを背景に、下町に暮らす個性豊かな面々が織り成す感動と希望の物語です。特に、二人の小学生を中心に、それぞれが豊かではないけれど、未来に希望を抱き、大切な夢に向かって生きていく姿に、今を生きる私たちはもう一度大切な何かに気づかされ、観終わった後、勇気と幸福感で満たされます。しかし、一方、この映画の感想は、「ずるいな」ということです。感動する場面、せりふを、これでもかと入れています。特に私は、ちょうどこの時代に、この主人公と同じ年齢で、しかもこの舞台である下町で生活していたのです。まったくダブっているので、ストーリーがなくても、場面の細部にいたるまで、懐かしさがこみ上げ、その時代を思い出してしまうので、胸に迫るものがあるのは当然です。
着工された東京タワー、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の“三種の神器”を揃えることが庶民の憧れ。子どもは路地裏で遊び、駄菓子屋に通い、夏休みに怒られてした昼寝、登校日、道路では、オート三輪や都電が走っています。私は、中学1年生のころは、都電22番(浅草と銀座の間を走る)で通学していました。そんなわけで、その時代へのノスタルジー、その時代に生きる人々のふれあい、楽しさ、をつい思ってしまいますが、時代は、戻ることはできません。いくら、あの時代がいいからといって、携帯電話が普及し、メールでやり取りをし、パソコンで物を調べ、24時間コンビニで物を売っている現在、決して、過去のような生き方はできないのです。しかし、最後の言葉に出てくるように、「夕日」は変わらないはずです。「大切にしないといけない心」は、変わらないはずです。というよりも、変えてはいけないのです。この映画を通して、何が「流行」で、何が「不易」かを、もう一度考えてもらいたいと思います。そして、守るべきものを、どうすれば守れるか考えないといけないのです。あの時代を懐かしく感じるように、今の時代が懐かしく感じられるように、あの時代がよかったといわれるような「今」を作っていく責任を感じます。