授賞式

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 今日は、グッドデザイン賞の授賞式でした。会場に向かうタクシーの中で、ふと前を見ると、目の前にボックスがぶら下がっており、そこには、ハンカチを片手に持って、手を振っている絵といっしょにこんなコピーが書いてありました。
「さらば、ダメ園長。」あせって、そのボックスに入っている小冊子を手にとってみると、その表紙に書いてあるのは、「犯人は、園長です。」その下に小さい文字で、「脳がくるくる働かない園長の思考停止こそ、保育が停止する原因。成長を妨害する犯人は、園長です。」とあります。1ページ目を開けると、「その1、最悪のさぼり屋は、園長の脳ミソかも。」あせりました。目をこすってみると、園長ではなく、社長と書いてありました。「その2、社長は、目をつぶって経営しています。」市場にも、自社を取り巻く戦況にも暗い。よく見えていない。「考える時間が足りない社長ほど、汗と努力が足りない!と社員のせいにします。理系の発想がない経営は、つぶれます。と続く小冊子は、会場に着くまでの間、読み応えがありました。
 そのうちに会場に到着しました。前回もそうですが、賞をもらった人たちは、ただ受付で、賞状を受け取るだけです。何も、感激はありません。ただ、私がいつも感激するのは、そこに展示されている大賞候補作品です。今の時代のデザインをリードするものが、並んでいます。今年は、15点ありました。その中で、一つ、大賞をその会場で選ぶのです。賞を取った人も、1票を投じることができます。ベスト15には、もうすでに有名なものもあります。たとえば、アップルコンピューターのiPod shuffle という、デジタルオーディオプレーヤーです。ほかに、単1でも、単2でも、単3の電池でも、引き出しにあるどの電池でも使える懐中電灯とか、有名なデザイナーである深澤直人氏の加湿器などは、もうすでに発売されていて、昨年買おうと思った商品です。これらは、商品部門での受賞です。また、先日、職員旅行でみんなで行った「金沢21世紀美術館」は、建築環境デザイン部門から選ばれています。今度、私が受賞した「新領域デザイン部門」での金賞は、あの愛知博でも話題になった、トヨタグループ館出展の未来モビリティ社会デザインプロジェクトです。あの、奇妙な乗り物です。
 そして、それらのなかで、大賞を取ったものに対して、私は、少し感動しました。今年の大賞は、なんと、「注射針」でした。あのダイヤモンドなど宝石を入れるようなふたのついたケースに入っているのは、1本の注射針なのです。これが、今年1番のデザインなのかと疑いました。しかし、当然、ただの注射針ではありません。この賞品の説明には、こう書いてあります。
「糖尿病治療で使用するインスリン注射用針。世界一細い0.2mm。従来のものより20%細い。注射は誰もが嫌なこと。それを一日に数回もならなおさらである。現在糖尿病でインスリン自己注射を行っている患者さんは、国内でも60万人。インスリン注射を止めることはできなくても、その痛みを少しでも和らげることに貢献したいとの思いで世界一細い針に挑戦し製品化に成功した。」 
 これに、大賞をあげることに、納得しますね。

授賞式” への3件のコメント

  1.  受賞おめでとうございます。グッドデザイン賞の審査員の方々のお顔を、インターネットで、見ました。びっくりしました。皆さん、お若くて、素敵で。審査員というと、田舎では、結構、お年寄りのイメージですが、グッドな、デザインを評する方々は、やはり、違いますね。とっても、グッドです。
     注射針の大賞は、納得です。
     

  2. この注射針に対する審査委員による評価コメントに、こう書いてありました。「ニーズが、不可能を可能に変えた一つの事例で、日本のものづくりに一石を投じた商品として高く評価したい。「できないからこうなった」という言い訳型のものづくりが蔓延している製造業の風潮のなかで、患者の立場から痛みを軽減させたいというニーズを起こし、ロールと溶接という微細な加工による量産を成し遂げた偉業を称えたい。」

  3.  遅ればせながら、そしてあらためて、GD受賞誠におめでとうございました。「痛くない注射針」これには僕も感動いたしました。「不可能を可能に変えた」とはまさに神業です。私たちに内在する神性について思いを巡らせました。保育教育の世界でもこうした神業の実現は可能だと思います。次は保育教育界からグッドデザイン賞の受賞ですね、藤森先生。楽しみです。

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