昔話の親子パート3

 先日、ある地域の園長に聞きました。その地域は、保育園に入れない子どもが多く、いわゆる、待機児が多い地域のようです。すると、入るための要件が高い順に入園できるとなると、母子家庭が優先になり、結果、母子家庭が7割を超えてしまっているといいます。もちろん、保育が必要な人が優先ということには異論がありませんが、園という場が、子どもが生活するうえでの社会とすると、その割合は、問題かもしれません。また、違う地域の園長に聞いてみると、園児の過半数が、親の再婚で苗字が変わっているので、子どもたちが、親に苗字を変えることを要求することがあると聞きました。確かに、過半数を超えると、子どもにとってはそれが普通になってしまいかねません。そういえば、娘が小学生のとき、友達が、親の年齢が10代であることを自慢して、みんなにうらやましがられていました。(もちろん再婚相手ですが。)まあ、離婚家庭が社会のなかで小さくなっていた時代よりは、いろいろな価値観を認めるいまの時代のほうがいいかもしれませんが、子どもに対して、それがどのような影響を及ぼすのでしょうか。
昔話のおじいさん、おばあさんだけでなく、親子関係でほかにも興味深いものがあります。たとえば、母子家庭、父子家庭もかなりあります。有名なところでは、
なしとりきょうだい」は、母子家庭で、病気の母親のために山なしを3人のきょうだいが取りにいく話です。また、「千里のぞうり」では、やはり母子家庭で3人の子どもを育てていましたが、貧乏で、子どもたちを捨てますが、後、悔やんで仲良く暮らす話です。「養老の滝」は父子家庭です。そして、孝行ものの息子が病気の父親のために薬草を採りに行く話しです。おもしろいのは、「雪女」です。雪女のせいで父子家庭であった父親が死に、残された息子がその後雪女と結婚し、子も生まれるが、約束を破って雪女に去られ、また、父子家庭になってしまうというものです。昔は、早く死んでしまうことが多く、片親家庭が多かったのでしょう。その子は、とても親思いで、それが主なストーリーになっています。
 また、人間以外の動物との間に子をもうける話も多くあります。「へび女房」は、へびと結婚した男が、姿を見たため出て行かれるが、へびの目玉をしゃぶらせて子どもを立派に育てます。「あかぎれ童子」は、逆にへびと結婚した女が子を産み、へびが死んだ後立派に育てる話です。「きつね女房」は、狐と結婚し、子が病気になったとき、田を放ったらかしで、両親で看病して、田植えが間に合わなくなって、きつねが術を使ったために、身元がわかってしまい、出て行かれる話です。どれも、動物の子を思う愛情の深さには、人間にも負けないものがたくさんあり、人間も学ぶところが多くあります。この時代でも、子への愛情の大切さを、動物に託して教えたのかもしれません。
 どんな家族形態であっても、「子どもを大切にする家庭」ということは、変えないで欲しいと思います。