2010年03月09日 近頃思うこと

試験科目

保育園で保育者になるのは「保育士」という資格が必要です。この資格は、養成校を卒業すればとれるのですが、もうひとつは、受験資格がある程度必要ですが、「保育士試験」に合格すれば資格が与えられます。今年の受験の手引き(受験申請書)請求の受け付け、申し込みの発送開始がもうすぐ4月1日から行われます。試験は、筆記試験が8月7日(土)・8日(日)で、試験科目は、「社会福祉」「児童福祉」「発達心理学及び精神保健」「小児保健」「小児栄養」「保育原理」「教育原理及び養護原理」「保育実習理論」の8科目です。試験内容を見ると、保育士に求められているものがどんなものなのかがわかりますが、実際に現場にいると、それって、必要かな?と思ってしまうものも多くあります。それは、実際に現場で働いていいる保育士さんに、この問題をやらせてみたらわかると思いますが、ほとんど落ちるでしょうね。というと悪いのですが、少なくとも、私は確実に落ちるでしょう。基礎的知識は必要だと思うのですが、それは、日々の中で実感していき、深まっていくものでなければならないはずです。私だったら、今学力として求められているような「コミュニケーション力」とか「問題解決能力」とか「柔軟性」とか「チームワーク力」などを試したいですね。しかし、実際に私の園の採用テストは、「早い順」です。
また、実技試験が10月10日(日)に予定されていまが、この実技の内容も、時代によって変わってきています。それは、子どもに対して必要な実技が変わってきているからでしょう。かつては、保育者というと、すぐに「ピアノが弾ける」と同じイメージですが、現場では、ギターが弾ける方が様々な場所で子どもたちが歌うことができ、また、先生も入って円形になって座って、歌を歌おうとすればギターのほうがいいような気がします。また、音楽だけでなく、保育には様々な経験を子どもにさせますので、何か得意なものがある保育者集団のほうがいいような気がします。
そんなわけで、今は、音楽・絵画制作・言語から2分野を選択することになっています。「音楽」では、課題曲が2曲事前に出され、その両方を幼児に歌って聴かせることを想定して、弾き歌いすることになっています。しかし、楽譜は持込んでもいいことになっていますし、ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで演奏してもいいことになっています。「絵画制作」では、「保育所(園)での子どもたちと保育士との活動の一場面を表現する」のですが、表現に関する条件は試験の当日に提示します。その課題に沿って、鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B)、色鉛筆(12~24色)、消しゴムを使って45分で描きます。「言語」では、各自あらかじめ用意した童話等を、自分の前にいる20人程度の3歳児クラスの幼児に集中して話を聞かせる時間という想定のもとに3分以内にまとめて口演することになっています。題材は、自作・他作を問わず、童話・神話・民話・伝説・昔話等自由です。
ギターでも受けられるようになったので少しはいいのですが、何となく男性には不利のような気がします。私だったら、「子どもたちに理念を伝えながら、笑い転げるような映画10分ものを作りなさい」という問題だったら、もっと、保育が楽しくなるのにと思ってしまいます。私の園で、男性保育者が中心になって笑い転げるような映画を作って、それがうわさで話題になっています。

投稿者 fujimori : 21:22 | コメント (0)

2010年03月08日 新聞記事より

新聞

 今日の朝日新聞に「GLOBE」という新聞が入ってきました。この「GLOBE」は月2回、月曜日の朝日新聞朝刊の真ん中に挟みこまれた新紙面です。2008年10月から月2回、月曜日の朝刊の真ん中に織り込まれてきます。この紙面では、今までの新聞と違う内容で、読者を引き付けようとしています。この紙面での特集記事は、「地球的(グローバル)規模で繰り広げられるパワーゲームやビジネスの最前線で起きている出来事の深層・底流を徹底取材し、ルポを中心にした特集で掘り下げます」と謳っています。また、サイトでは紙面に掲載した特集記事などを紹介するとともに、関連するプラスアルファ情報が掲載されます。今日の特集は、「公務員の使い方/仕え方」です。今までのただ情報を流すだけであった新聞が変わり始めています。
 新聞が変わり始めているのは、その記事の内容だけでなく、発信の仕方も変化が起きています。日本経済新聞社では、今月の23 日に、インターネット上に「日本経済新聞 電子版」(Web刊)を創刊する予定です。この電子版は、「今年で135年目の歴史を迎える日本経済新聞社がデジタル技術を基盤にお届けする新しい媒体です」という触れ込みです。その内容は、もちろん日本経済新聞の朝刊と夕刊の最終版の記事全文が読めるのは当たり前ですが、電子版の特徴がいくつかあります。
そのひとつは、日経編集局が24時間体制で取材・編集して随時更新する国内外の最新ニュース、日経BP社など日経グループ各社が集めた専門分野の情報・データやコラム・映像、英フィナンシャル・タイムズなど有力な海外コンテンツパートナーの翻訳記事を厳選して、朝刊と夕刊の間でも最新情報を刻々と編集して届けてくれます。世界中のあらゆる場所に、どこよりも早く朝刊が届き、「今」まさにおきているニュースを24時間リアルタイムで届きます。また、「My日経」で自動収集した記事もパソコンや携帯電話にメールで配信してくれます。
アマゾンで本を購入すると、過去に購入した本や、検索した本を分析して、何に興味があるか、どんな考えの人に興味があるかで、それにあった本を紹介してくれます。同じように、一人ひとりの読者の興味や関心を分析して適切な記事を選んで届ける「おすすめ」機能、登録したキーワードを含む記事が配信されると自動表示する「自動記事収集」をはじめとした、デジタル技術を活用した新しい記事の読み方も提案しています。「いちいち情報を探すのが面倒」「映像でニュースをもっと知りたい」「何を読めばいいのか教えて欲しい」「私に役立つ情報は何?」など、今までは、紙面をめくって必要な情報を探したり、興味のある情報を探していたのが、自動で配信されてくるようです。
そして、パソコンと携帯電話機の両方で読めるようになっており、今後、電子書籍端末やデジタルテレビでの提供も検討しているそうです。そうなることにより、タクシーや電車、空港やホテルのロビーなどいつでもどこでも簡単操作で効率よく必要な情報を見ることができるようになります。
また、このWEB日経は、拡大機能付きなので、小さな画面でも表や写真、グラフがきちんと読めるようですし、表示の仕方も、今まで新聞紙面を見慣れている人にとっては、ネットで配信されてくるニュースはなんだか見にくいのですが、この紙面は新聞のように読めるようです。
 時代によって、内容、配信の仕方など新聞は変わろうとしていますが、このような動きに対して、教育の動きは、ずいぶんと遅いですね。

投稿者 fujimori : 23:16 | コメント (2)

2010年03月07日 近頃思うこと

新しい学校の提案

子どもたちの身に起きる不幸な出来事を聞くにつけ、世界の教育を知るにつけて、なんて日本の教育は遅れているのかと嘆きたくなります。しかし、これだけ情報が豊かで、世界が近くなっている今、国は世界の教育の動向を知らないはずはありません。当然、研究者たちも世界の教育を研究しているはずです。しかし、どうして変わっていかないのでしょうか。私も、幼児教育では世界の流れの中では当然と思われること、ただ、子ども主体に考えようと提案するだけであって、何も革命を起こそうというわけでもないのですが、なぜか、抵抗にあうことがあります。現実に毎日子どもたちが壁にぶち当たっている状況を見聞きしても、なかなか変えようとしません。
 全国の小学校・中学校において、今年から新しい学習指導要領の一部が先行実施され、21 世紀を生きる子どもたちのための学校教育が始められています。それは、今の時代に対しての課題が盛り込まれています。地球温暖化対策をはじめとする環境配慮、学校、家庭、地域の連携が重視され、その課題に向けて、学校施設の整備に当たって、学習活動円滑化や環境配慮、地域との連携といった機能を高める工夫が問われています。このような新たな時代の学校教育等に対応するため、既成の学校施設の形態の枠にとらわれず、実情に応じ、柔軟な発想を含めた検討が有効であると文部科学省では考えています。そこで、これまで実際に整備された学校の中から、新しい工夫があり他の学校にも参考になると思われる施設的な提案について、情報提供をすることとし、小中学校の施設を新増改築、あるいは大規模な改修をするときに、関係者にとって参考になると思われる30 のアイディアを集め、提案しています。
「小学校学習指導要領解説 総則編」(平成20 年6 月)では、21 世紀の教育の考え方について、知識基盤社会化やグローバル化は、アイディアなど知識そのものや人材をめぐる国際競争を加速させる一方で、異なる文化や文明との共存や国際協力の必要性を増大させている状況において、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことがますます重要になっていると解説しています。そのための教育目標のための空間を提案しています。
確かな学力の確立に向けた対応では、児童生徒の自主的な学習活動を支える空間や観察・実験、体験活動の充実のための空間、児童生徒の表現力をはぐくむ活動を支える空間が提案されています。また、豊かな心を育成するための施設づくりとして、児童生徒同士の交流を生む空間や豊かな芸術空間などが提案されています。健やかな体をはぐくむ施設づくりでは、日常的な体力づくりや食育の充実のための空間などが提案されています。
具体的には、普通教室は、設えや学習活動に配慮した余裕のある大きさとし、ICTを導入したり作り付け家具を工夫したりすることなどにより、多様な学習が可能となるように計画するものや、学習集団の規模や机の配列の形態が変わるような場合にも対応できることを提案しています。また、複数のクラスでフロアをのびやかに使うことで、多様な学びを支える教室まわりとして、同学年あるいは、低学年、中学年、高学年ごとに、普通教室+多目的スペース(少人数指導のためのスペースを含む)など学年段階に応じたユニットの空間構成とすることで、総合的な学習の時間における調べ学習や習熟度に応じた学習、またティーム・ティーチングなどを効率的に展開することができるとしています。
 このような、新しい提案が、身近な学校で行われるようになるのは、いつのことでしょうね。

投稿者 fujimori : 21:17 | コメント (4)

2010年03月06日 近頃思うこと

スキル2

 フィンランド式キッズスキルは、親子で問題解決能力をつけようというというものです。その書籍の帯封にはこう書かれてあります。「子どもの問題解決能力を高められる。子どもに“ダメ”と言わずに問題を解決できる。子どもの責任感、社会的スキルを高められる。」
 これらの能力は、子どもがぶち当たっている壁を乗り越えるためのスキルというだけでなく、今、子どもたちに必要だと言われている学力というスキルでもあるのです。ですから、このスキルは、教育で成功しているフィンランドで考えられているのです。
 ここでは、15ステップで子どもの問題をスキル学習に変換して解決に導くことをしています。しかし、私は、まずここで言う「スキル」という言葉がはっきりしません。普通に使われるスキルとは、物事を行うための能力であり、スキルを高めるというと、技能を練習して高めるというイメージです。そのスキルという言葉が最近は家庭内での関わり、仕事上での応用が言われてきています。例えば、仕事上では、「ビジネススキル」と言われ、ビジネススキルを向上させるときに欠かせないツールが「コミュニケーション」だと言われています。そのスキルは、相手に情報を伝えるというメッセージを発信するだけでなく、その意図するところ、その哲学までもが相手に伝わってこそ、その意味を成すといわれています。
 子どもに起きている問題を解決するために、まず、その問題をスキルが欠如していることに変換しなければなりません。それをスキリングと言います。このスキリングという言葉は、ソリューション・フォーカス・アプローチの概念から生まれたものだそうです。これは、解決思考アプローチと言われているもので、相談者の問題の原因を探り、そこから解決方法を導き出すという「カウンセリング」の手法ではなく、「原因」の探求ではなく、「解決」の探求に焦点を当てています。例えば、子どもが学校で周りの生徒に迷惑をかけるようなことをしてしまったとき、そんな行動をとった「原因」を追求しようとすると、周りの人やその子自身を責める発想へと進んでいってしまいます。そもそもたいていの場合、はっきりと「これが原因」と言いきれることはありません。一方で、「解決」を追求すれば、周りのみんなが協力し、はっきりと具体的な打開策を見出すことができます。
 これは、こんな言葉がけでいいようです。「やらないでほしいことではなく、やってほしいことを伝えると子どもは言うことを聞いてくれます。」例えば、「どならない!」と注意するよりも「静かに話しなさい」という注意の仕方がいいと言います。ほかにも、「物を投げるのをやめなさい!」から「自分のものを大切にしなさい」、「キックしない!」から「足は地面につけていなさい」、「食べ物で遊ばないの!」から「行儀よく食べなさい」、「妹をからかわないのよ!」から「妹にやさしくしなさい」というようにするのです。これは、フィンランドの子どもたちに対してのことですから、その年齢までの育ちがどうであるかが影響しますので、日本の子どもたちに効果があるかはわかりませんが、同じようなことを私も提案しています。禁止することは、やってはいけないことは分かりますが、では、どうすればよいかはわかりません。やってほしいことを提案する方が、具体的な行動にすぐに移しやすくなります。また、禁止事項が蓄積されてくると、動けなくなってしまいますが、やってほしいことが蓄積されていくに従って、自分への自信が持てるようになります。そういう意味で、このスキリングのステップは、すでに提案していることと同じですね。

投稿者 fujimori : 21:08 | コメント (3)

2010年03月05日 近頃思うこと

タイムアウト

 ドイツの幼稚園で見た「けんかコーナー」、アメリカでよく見かける「ピーステーブル」を参考に私の園でも3,4,5歳児の部屋に「ピーステーブル」を作ったところ、けんかを始めた子どもたちは、その場に行って話し合いをしています。そのことを見聞きした他の園でも、自分の園で様々な名前を付けた同様なコーナーを作ったところ、同様に子どもたちは喧嘩をする前にその場に行って、話し合いをするようになっているようです。子どもたちは、環境を用意するだけでも自分たちで解決するようになるのですね。
 以前、テレビで見たのですが、アメリカで多動傾向にある子が授業に集中できずに、他の子に対してちょっかいを出したりした時に、先生が「タイムアウト」という声をかけて、その子をその場から去らせ、しばらく一人で落ち着くことをさせていました。けんかなどをして、ハイテンションになっている子どもに対しても、まず落ち着かせることをしないと、言い聞かせても、話合わせてもダメなので「タイムアウト」という方法をとります。それを見て私も他の園で相談を受けた時に、そうするといいかもしれないと助言をしました。また、先生もカーッと頭にきたときには、自ら「タイムアウト!」と言って、少し頭を冷やしてから子どもと向かい合った方がいいという助言もしました。
 ブログで書いたことがある「乳幼児の世界展」というイベントの中で、日本のJリーグが発足した年のテーマが「子どもからイエローカードを出されないために」というものでした。イエローカードというのは、悪質な反則や行為を行った選手に対して「警告」を発するときに審判が示すカードのことです。昨日も悲惨な幼児虐待のニュースが流れましたが、子どもが虐待をされそうになった時にそのカードを出すようにと、来場者にはイエローカードをプレゼントしました。この「イエローカード」は、「タイムアウト」と少し似たところがありますね。
 昨日のブログで書いた「キッズスキル」の中で、ステップを踏んでいく過程で必要な条件に「タイムアウトできるようにする」というものがあります。この本の中では、「怒っているときは感情のままに発言してしまうので、スキルに変換することを忘れて怒鳴ってしまうこともあるでしょう。親だって人間です。大人の側が感情的になったときにはタイムアウトを取りましょう。怒鳴りそうになったら、“今とても怒っていてちゃんと考えられないから、10分待ってちょうだい。10分したら必ず部屋に戻ってくるから”と言って、部屋を出ます。10分、一人で落ち着く時間を取りましょう。」
 ピーステーブルの効果も、そこで話し合うということでそこまで行く間に少し頭が冷やされるからです。これは、「クールダウン」という方法をとることもあります。この本には、このタイムアウトのポイントが書かれてあります。「部屋を出ていく理由を伝える」人間の感情に良い、悪いはありません。怒ること、悲しいことは誰にでもあることです。大人が自分の気持ちを伝えることで、子どもは誰でも起こったりイライラしたりすることがあるのは、普通のことなのだと認識できるからです。「時間を決めて、その時間が経ったら必ず戻ってくることを伝える」突然出ていくと、子どもは見捨てられたと不安になります。時間を設定することで子どもに安心感が生まれます。「もしも子どもに怒鳴ったり、感情的に怒ってしまったりしたら、あとで素直に謝る」大人も間違いをすることがあることがわかり、子どもも自分が間違ったことをしたときに謝れるようになります。
 このタイムアウトも保護者でけでなく、保育者も使ってみてはどうでしょうか。

投稿者 fujimori : 23:55 | コメント (4)